図1◎三菱マテリアル子会社による品質データ偽装問題の会見
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図2◎三菱電線工業社長の村田博昭氏
品質データ偽装の発覚から生産停止までの期間が長かった点を報道陣に詰問された。
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図3◎三菱マテリアル社長の竹内章氏
就任以来、コンプライアンス強化のさまざまな手を打ってきたと何度も語った。
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図4◎三菱伸銅社長の堀和雅氏
車載端子に使う黄銅条などの品質データ偽装で謝罪した。
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 品質データを偽装した不適合品が混入している可能性を把握しつつ、そのまま出荷を続けた──。三菱電線工業(本社東京)は2017年11月24日、親会社の三菱マテリアルと三菱伸銅(本社東京)の3社で品質データ偽装問題に関して会見を開いた(図1、関連記事)。報道陣からの質問に答える形で、三菱電線工業社長の村田博昭氏は、生産したシール材に不適合品が混入している可能性があることを経営陣が把握していながら、そのまま8カ月にわたって顧客に出荷し続けていたことを明らかにした(図2)。

 会見には村田氏の他、三菱マテリアル社長の竹内章氏(図3)、三菱伸銅社長の堀和雅氏(図4)、三菱マテリアル副社長の小野直樹氏の4人が臨んだ。

 三菱電線工業で品質データ偽装が発覚したのは、2017年2月。箕島製作所(和歌山県有田市)の検査部門で、シール材の寸法と材料物性の測定値の改ざんの事実があったことを品質保証部門長が把握した。同長がヒアリングなどを行う作業に1カ月をかけ、同年3月初旬に担当役員を通じて社長を含む経営陣に報告が挙がったという。

 ところが、経営陣は社内に全容解明の指示を出す一方で、シール材の生産を継続。シール材の品質に疑義が生じたにもかかわらず、顧客に出荷し続けた。その後、同年10月23日になってようやくシール材の出荷を止めたという。

 品質データ偽装の発覚から出荷停止まで時間がかかった理由として、村田氏は、確認作業の複雑さを挙げた。製品の種類(顧客の設計書)が10万点あり、その中から不適切な検査や品質データ偽装品の中身を分析し、対象製品の採用箇所を特定することに時間がかかったという。「特定せずに公表すると顧客に迷惑をかけ、さらに混乱を起こす」(村田氏)。

 通常、不具合の可能性があれば生産を停止し、原因を分析した後、問題があれば対策を講じて製品の品質に問題がないことを確認してから、生産を再開する手順を踏む。三菱電線工業の今回の対応は、「品質よりも収益を優先した」と捉えられても仕方がないと言えるだろう。

 この会見での主な質疑応答は以下の通り。

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