「米国の販売台数を増やすためにインセンティブ(販売奨励金)を使いすぎた。今後は減らさなければならない。既に実行に移している」──。日産自動車常務執行役員の田川丈二氏は、2018年2月8日に開いた2017年度第3四半期(2017年4~12月)の決算会見でこのように述べ、米国事業の進め方を見直す意向を示した(図1)。

図1 日産自動車常務執行役員の田川丈二氏
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 日産の2017年度第3四半期累計の世界販売台数は410万9000台。前年同期に比べて2.9%増えた。このうち米国の販売台数は、同1.1%増加の117万7000台だった。SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)の「Rogue(日本名:エクストレイル)」や「同Sports」などの販売が好調だった(図2)。

図2 2017年度第3四半期累計の販売実績
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 ただし、好調な米国販売の裏には誤算があった。市場の見通しを読み誤ったことである。2017年の米国の新車販売市場は、前年に比べて1.8%減少の1723万台。8年振りに前年実績を下回った。これに対して同社は2017年の米国市場を1750万台と予想し、その予想を基に2017年度の販売計画を作った。田川氏は「全需(全体需要)の見通しが楽観的すぎた」と明かす。

 その結果、車両の在庫が増えると共に調整が遅れた。さらに、各社との競争が激しくなる中で、販売計画を達成するために値引きの原資となるインセンティブを増やした。日産のインセンティブは過去1年の平均で1台当たり4000ドル以上。業界平均の3600~3700ドルを大きく上回る。2017年度第3四半期累計の販売台数は前年同期を上回ったが、在庫調整の遅れとインセンティブの増加によって収益は悪化した。

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