「TOYO TIRES(トーヨータイヤ)」ブランドで認知度が高い東洋ゴム工業は、きたる電動化の時代に備えて電気自動車(EV)向け部品の研究開発を強化する。手始めに2018年1月下旬、スポーツ型EVを手掛ける京都のベンチャーGLMとの共同開発を発表。次の一手に出た。開発陣を率いる常務執行役員技術統括部門管掌の金井昌之氏に、技術開発の方針を聞いた(図1)。

図1 東洋ゴム工業 常務執行役員 技術統括部門管掌の金井昌之氏
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——GLMとの共同開発とは。

 足回り部品が中心だ。2020年中の製品化を目標に、サスペンションに電子制御技術を組み込んだ次世代のアクティブサスペンションを共同開発する。(路面からの振動を減衰させる)空気式のショックアブソーバー内部のゴム部品が柱となるが、その他の部品にも適用を広げたい。

 GLMは路面から伝わる振動を限りなく減らした「フラットライド」という思想を持っている。東洋ゴムが長年蓄積してきたゴムの振動減衰技術で、あらゆる面で乗り心地の向上に貢献したい。

——どのようにサスを電子制御する考えか。

 振動を減らすためには路面の状態を正確に把握することが重要だ。前方を見渡す車載カメラや、タイヤに搭載したセンサーなどを組み合わせる。さらに、今後の普及が見込めるコネクテッドカー(つながる車)技術を使えば、前方を走行している車両から路面の情報を無線通信で受け取れる。従来は検知が難しかった前方の路面状態が分かるようになる。

——どのような車種の開発が考えられるのか。

 GLMは「トミーカイラZZ」のようにスポーツ型EVの開発を得意とする(図2、3)。よって、まずはスポーツ型に適した部品の開発を徹底する。さらに、今後は生産車種を増やしていくはずだ。新興国向けの小型EVなどもその一つだろう。市街地の移動手段として、シェアリングで使うコミューターを想定している。あらゆる車両に適用できるように、準備を怠らない構えだ(関連記事:売上額50倍を狙うEVベンチャー、 次世代車載部品のショーケースに)。

図2 GLMの「トミーカイラZZ」
車両の外観、斜め前から
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図3 トミーカイラZZのプラットフォーム
斜め前から
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