自動車メーカーと一体で開発を進めることが多い自動車メーカーの系列部品メーカー。独立系の部品メーカーは、そうした系列系の部品メーカーと違い、自動車メーカーから開発のテーマや目標値が示されることは少ない。開発のテーマや目標値の選定は通常、自社の判断による。

 そんな独立系部品メーカーの一つが、自動車用シートを設計・製造するタチエスだ。同社取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏は、独立系の部品メーカーには提案力が問われていると強調する(図1)。そこで同社が生き残りに向けて意識しているのが、自動車メーカーが求めているものよりも上をいく提案。「系列のメーカーと同じものを作っていては、そこに至るまでに無駄な時間や資金を要する独立系の部品メーカーは対抗できない」と打ち明ける。

図1 タチエス取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏
図1 タチエス取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏
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 将来の電動化・自動運転時代に向けても、そうした提案の重要性は変わらない。例えば、電気自動車(EV)では、満充電での走行距離を延ばすという観点から軽量化がより重要になる。自動車用シートは、車両の部品の中では質量も容積も大きな部品であり、その分、軽量化に対する期待は大きい。トヨタ自動車のミニバン「アルファード」では3列分のシートを合計すると100kgを軽く超える。安全・快適性を犠牲にせずに軽量化で自動車メーカーの期待を超えることができれば、受注を獲得できるチャンスがある。

 自動運転に対しては、安全・快適性がより重要になるが、期待を超えるという点では取り組みの方向性は同じだ。実際、同社が2017年の東京モーターショーに出展したレベル3、4の自動運転を想定したシートのコンセプトモデル「Concept X-3」では、体に負担の少ない運転姿勢や運転モードとリラックスモードの切り替えといった快適性を実現しながら、薄型の座面によって軽量化にも貢献する新しいシート構造を提案している(図2)。

図2 レベル3、4の自動運転を想定したシートのコンセプトモデル「Concept X-3」
図2 レベル3、4の自動運転を想定したシートのコンセプトモデル「Concept X-3」
体の負担が少ない運転姿勢や、運転モードとリラックスモードの切り替えといった快適性を備えながら、薄型の座面によって軽量化も図った。
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