AR(拡張現実感)技術の可能性を広げる新たなライブ・エンターテインメントが誕生した。モーションキャプチャーや映像技術を駆使したデジタルアイドル「AR Performers」である(関連記事「ARの熱気が雪を吹き飛ばした日」)。アニメ調のいわゆる“2次元”キャラクターが、観客の声援に応えて手を振ったり、即興の歌を披露したりと、生身の人間顔負けのパフォーマンスを見せる。

2017年1月に行ったライブイベント「AR performers 1st A'LIVE」の様子。
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 2016年4月にデビューイベント「AR performers β LIVE」を開催し、2017年1月14~15日に実施した本格ライブイベント「AR performers 1st A'LIVE」では6回公演で約2400人を動員。さらに会場では「史上初のARアーティスト」としてエイベックスからのメジャーデビューを発表した。

エイベックスからメジャーデビューした「AR Performers」のキャラクターたち。左から時計回りに、レオン、シンジ、2人組ユニット「REBEL CROSS」のレイジ、ダイヤ。(C)YUKE’S Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
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 歌うデジタルアイドルとして有名なのは、ヤマハが開発した歌声合成技術「VOCALOID」から生まれた「初音ミク」だ。初音ミクのライブイベントでは、透明スクリーンに初音ミクのCG映像を投影し、あたかも現実にいるかのように見せる演出が人気を博している。AR Performersは透明スクリーンを用いる点などは同じものの、ステージごとに異なるパフォーマンスを見せる“生”のライブを特徴としている。観客ともリアルタイムに交流する。

モーションキャプチャーの様子。アクターキャストの周りを取り囲む複数のカメラで体に取り付けたマーカーを認識し、姿勢や動きを反映したCGのキャラクターをリアルタイムでレンダリングする。
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 こうした演出を支えるのは、キャラクターの体の動きを担当する「アクターキャスト」や声と歌唱を担当する「ボイスキャスト」をはじめとする裏方だ。具体的には、舞台裏でアクターキャストの姿勢や動きをモーションキャプチャーで認識し、CGのキャラクターに反映してリアルタイムにレンダリングしている。ボイスキャストは曲に合わせて歌うだけでなく、アクターキャストと連携しながら曲の合間に生のトークを繰り広げる。

 CGの体に加え、口の動きや表情、視線も変化する。ボイスキャストの声の母音を音声認識し、その結果に応じて自動的に口を動かす。表情はあらかじめいくつかのパターンを用意し、担当スタッフが台詞や状況にあわせて随時選択するという。体の動きなどに合わせて視線を変化させ、わずかな視線の揺らぎも表現した。CGの服や髪も、体の動きに伴ってリアルタイムに動く。

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