いよいよ官主導から民主導へと変わりつつある「宇宙産業」。今回は、現時点で最も注目を浴びる衛星事業に関して、今後の潮流について見ていこう。前回に引き続き、ベイカレント・コンサルティングのコンサルティング本部 マネージャー 堀口真吾氏に解説してもらう。

宇宙産業は年率5%で成長

 宇宙産業の市場規模は全世界で約37兆円(約3290億米ドル)と言われ、2010年以降、年間5%の成長を続けている(図1)。

図1:世界の宇宙産業売上高推移
(図:Space Foundation(https://www.spacedoundation.org) の公表数値を基にベイカレントが作成)
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 宇宙産業の内訳は、ロケットや衛星を打ち上げるための「宇宙機器産業」と、打ち上げられた機器を使ってサービスを提供する「宇宙利用産業」に大別できる(図2)。このうち、市場の約3/4を占め、その規模も年々拡大しているのが「宇宙利用産業」だ。宇宙に飛び出すための機器製造よりも、「衛星をどのように活用するか」といった衛星サービスに軸足が移っていると言える。

図2 宇宙産業全体の構造
(図:「(内閣府)我が国の宇宙機器産業の課題、現状及び対応の方向性検討における論点」を基にベイカレント・コンサルティングが作成)

 衛星活用が進んできた背景には、宇宙輸送サービスの低価格化がある(前回記事「ロケットコスト数十分の1で衛星サービス市場「130兆円」に」)。加えて、IoT化、AI(人工知能)や機械学習によるビッグデータ解析技術の高度化、クラウド化といったデジタル技術の革新により、衛星を活用する用途が今後ますます拡大すると予想されている。特に、図2で色を付けたサービスは新たな産業分野として注目を集めている。

 世界における衛星利用サービスの市場規模は現在約13兆円。その中では通信・放送サービス分野が大半を占めており、約10兆円となっている。この市場を刺激しているのが、米Alphabet社(米Google社の親会社)や米Amazon.com社などの大手IT企業だ。

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