2015年は自動車業界に新しい風を吹き込むベンチャー企業の活躍が多く見られた。特に自動運転の分野では、従来の自動車メーカーとは異なる手法によって、業界を一変しかねない機運さえ見られる。以前からクルマ向けサービスを展開していた企業に加えて、これまでクルマと無縁だった企業でさえ、次々と自動運転の開発に名乗りを上げた。その背景にはセンサー類やコンピューターの性能が飛躍的に向上したのに加えて、ベンチャー企業が得意とする消費者向けサービスやソフトウエア開発の重要性が増しているためだ。

 慎重で保守的な自動車メーカーと異なり、ベンチャー企業は比較的しがらみが少なく、革新的なサービスの提供に強みを持つ。自動車業界に変化をもたらすことからベンチャー企業参入の意義は大きい。

 自動運転車といえば米Google社が有名だが、2015年にはタクシー配車サービスを手掛ける米Uber Technologies社も独自に自動運転に関する研究を始めたことが大きな話題になった。Uber社は2009年に創業したばかりのベンチャー企業だが、2015年12月時点で企業価値が推定8兆円に達する急成長を遂げている。創業から6年で世界67カ国、360以上の都市で事業を展開するまでになった(図1、2、関連記事1)。

図1 米国カリフォルニア州でUberの配車サービスを利用する旅行者
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図2 スマートフォンを活用した配車アプリの使用例。画面を数回タップするだけで近くにいる個人タクシーを自動で呼び出し、ユーザーの下まで迎えに来てくれる。
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