あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of things)。このIoTに商機があるとみて、無線通信の半導体メーカーやモジュールメーカーが積極的に動いています。ウエアラブル機器などに使われる数~数十mの近距離無線通信はBluetoothが市場を席巻していますが、スマートホームや産業分野のM2M機器などに使われる数十~数kmの中距離無線の市場は、今のところデファクトスタンダートといえるものがありません。現状ではさまざまな規格が乱立している状態です。2015年は、この市場の主導権獲得に向けて各規格の陣営が大きく動いた年でした。

 日本では、情報通信研究機構(NICT)などの主導で開発された「Wi-SUN」関連の動きが活発です。Wi-SUNは、800M~900MHzの周辺数帯域を使用するサブGHz帯の無線通信規格です。業界団体の「Wi-SUN Alliance」が規格認証や相互接続試験を実施しています。Wi-SUN Allianceは2015年11月、Wi-SUNの家庭内ネットワーク(HAN)向け仕様(プロファイル)である「HAN/Home Area Network/Single Hop」の認証プログラムを開始しました。これを受けて、NICTやローム、ルネサス エレクトロニクスなどが続々とHANプロファイルの認証を取得した無線通信ICやモジュールを発表しました。

 2013年に日本国内の電力会社がスマートメーターとホームネットワークをつなぐ通信路「Bルート」の無線規格としてWi-SUNを採用したことを契機に、HEMSコントローラーのWi-SUN対応が始まっています。HANプロファイルは、HEMSコントローラーと太陽光発電、蓄電池、燃料電池、EV/PHV、エアコン、照明機器、給湯などのHEMS機器をつなぐHANでの使用を想定したものです。Bル―ト向けが1対1の通信であるのに対し、HAN向けは1対多数の通信に対応し、HEMSコントローラーとHEMS機器の間に中継器を介したシングルホップの通信にも対応しています。2016年はHEMSコントローラーとWi-SUNでつながるHEMS機器の登場が期待できそうです。

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