特集

「SBT(科学的目標)」達成に向け、「再エネ」が切り札に

<第3回>気候変動に対応する経営戦略への筋道

2018/02/07 05:00
荻巣和紀=ブライトイノベーション
印刷用ページ

 気候変動問題に対応する国際的な枠組みである「パリ協定」が企業経営に与える影響と、そのなかでの再生可能エネルギーの重要性を連載してきた。

 第1回目では、気候変動問題とビジネスへの影響について概説し、第2回目では、この問題に関するビジネス上のキーワードについて解説した。最後となる今回は、これまでの内容を踏まえ、企業に求められる対応の筋道、具体的には、戦略策定とそれを踏まえた目標設定と情報公開、そのなかで「SBT(科学的目標)」の達成に「再エネ」が切り札になることなどについて解説する(関連記事)。

経営者の意識向上が第一歩

 気候変動問題への対応は、事業戦略そのものとなりつつある。従って、まず、企業経営者が経営課題として認識・関与することが重要になる。

 しかし、こうした認識を持っていない経営者も多い。その場合、まずは経営層の認識を高める活動が必要となる。CDPをはじめとしたESG(環境・社会・ガバナンス)の評価制度では、取締役会が気候変動対応に関与しているかが、重要な評価指標となっている。

 加えて、経営層以下の認識向上と推進体制の整備も重要である。例えば、管理職向けの気候変動とビジネスとの関連に関する研修の実施、役割・責任の明確化、そして経営プロセスへの組み込み(事業目標とその管理プロセスへの組み込み)などを適切に実施する。

 「ガバナンス体制」は、この問題に対応するための「戦略策定」や「目標設定」などの基盤となり、その実行性に大きく影響する。結果的に、気候変動対応のレベル・スピード、ひいては今後の企業価値に大きな影響を及ぼす。ESGの観点で高評価を獲得し、かつ業績も良い企業は、概してガバナンス体制が優れている。

  • 記事ランキング