本記事は、情報処理学会発行の学会誌『情報処理』Vol.57, No.9に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するには情報処理学会の会員登録が必要です。会員登録や全文の閲覧に関してはこちらから(情報処理学会のホームページへのリンク)

ビットコインとブロックチェーン

 ビットコインは、2008年にSatoshi Nakamotoを著者とする論文で提案された分散管理型の暗号通貨である。その中で使われる取引履歴を塊(ブロック)にしてチェーン状につなげる履歴管理の手法が、「ブロックチェーン」と呼ばれ着目されている。この手法により、だれか1人を信頼しなくても、正しいとされる履歴を複数のプレーヤで管理できるため、これを改良して別の暗号通貨を作ったり、資産管理や契約管理に活用する方式が提案されたりしている。ビットコインのシステムは、ブロックをチェーン状につなげる手法以外にも、取引の表現方法、矛盾の解消方法や、ブロックに暗号通貨としての価値を持たせる方法など、さまざまな発想を盛り込んで構成されている。したがって、どこを切り出すかによって、「ブロックチェーン」の見方が変わってくる。「ブロックチェーン」の明確な定義がないのは、ビットコインの仕組みに触発されたたくさんの技術者がさまざまな観点で改良案を出し、それらを「ブロックチェーン」と総称しているからである。その中には、必ずしも「ブロック」が「チェーン」状になっていないものもある。本稿では、筆者なりの観点で切り出したブロックチェーンのモデルを紹介する。

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