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「太陽光の電気を貯められたら!」を検証する

<第11回>太陽光発電における「蓄電池」活用法

2018/09/26 06:00
大串卓矢=スマートエナジー社長、
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北海道地震で見えた太陽光の限界

 北海道で生じたブラックアウトは、再生可能エネルギーの限界を感じさせた。いくら風力発電や太陽光発電が発電所としての機能を失っていなくとも、送電網がストップしてしまえば、電力を送り出すことができない。今回は、停電時に誰もが感じる「電気を貯められたら」を検証する。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)に、蓄電池を設置するプランを考えてみる。蓄電池は安くはなってきているものの、少なからず設備投資資金が必要となる。したがって、その投資額をどのような仕組みで回収するかの回収計画が、設備投資を実行するために不可欠である。

 メガソーラーで蓄電池が活躍するのは、パネル容量がパワーコンディショナー(PCS)容量を超える分(過積載しピークカットされる分)、出力抑制期間、送電網工事などでの解列要請期間の発電電力で、無駄になっている分である。この無駄になっている電力を蓄電し、夜間などに蓄電池から放電して、電力を販売する方法が考えられる。この方法の採算性を検証してみた。

 2.4MW のパネル容量をもち、2.0MW未満のPCS容量のケースで考えてみた。日中12時前後3時間のピークカットが生じ、そのような現象が1年の40%程度生じる場所で発電していると仮定した(ピークカットが生じる時間、頻度は発電所の場所、季節などにより相当な違いがあるが、筆者の経験値としての仮定値である)。その結果、年間約630万円の経済効果が認められた。

 また、送電線工事などによる電力会社からの解列要請は割と頻繫にあるし、出力抑制は現実の問題となってきている。これらに備えて、例え送電できなくても自立運転して、蓄電池に電気を貯めておく効果はどうだろうか。計算結果を見ると、この効果は蓄電容量が小さいため、意外と小さい経済効果しかない。年間30日そのような事象があったとしても、経済効果は126万円にしかならない。

 これらの経済効果を合計し、蓄電設置の投資回収年数を10年とすると、蓄電池の価格が、kWあたり6万円以下に下がらないと採算が合わない。メガソーラーを非常時の電源として活用する価値を考慮すれば、さらに採算性はよくなるものの、現状の蓄電池の単価は12万円以上/kWである。結局、現状の蓄電池単価では、メガソーラーに蓄電池を設置しても、なかなか経済性が成り立たない(図1)。

図1●蓄電可能な電気の試算
(出所:筆者)
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