2012年の固定価格買取制度(FIT)施行後、太陽光発電所が爆発的に増え、その事業性の良さ、相対的に事業リスクが小さいことから多く新規事業者が参入した。それでも、20年におよぶFITによる売電期間中には、さまざまな思わぬ事象が発生する。今回はそれらのリスクで、ここにきて顕在化してきたものについて記載する。

 先月、パワーコンディショナー(PCS)メーカーの老舗である田淵電機が事業再生ADRを宣言した。20年の事業を継続する上で、PCSメーカーや太陽光パネルメーカーの倒産は、生じうる事態である。そのとき、どのようなデメリットがあるのであろうか(図1)。

図1●田淵電機のPCSを導入した太陽光発電所
(出所:日経BP)
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 メーカー倒産時にまず問題となるのは、メーカーによるアフターサービスが止まることだ。PCSはICTによるソフトウエアプログラムが重要となってきているため、ブラックボックス化している。太陽光のO&M(運営・保守)サービス会社のエンジニアや他社のPCSメーカーエンジニアでは、メンテできない。

 つまり、メーカーが倒産し、万が一そのメーカーのPCSが故障した場合、誰も直せないという事態となってしまう。最悪のケースでは、他社製のPCSへの交換を余儀なくされることもあり得る。

 故障にまで至らなくても、PCSは半導体製品のため、パソコンと同様、耐用年数はそれほど長くない。20年間、利用するには、数年ごとに部品交換が必要になる。交換部品が調達できなくなるリスクを想定しなければならない。