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太陽光の「自家消費」戦略を読み解く(page 3)

<第8回>FITの次に来る再エネ市場の主役

2018/06/22 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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屋根上、農地、道路が普及のポイント

 太陽光発電が今後も普及していけるかは、自家消費が上手に国内に取り入れられるかどうかにかかっている。そのためには、建物の屋根上と農地、道路などに太陽光パネルが置かれることが必要となる。

 いずれ太陽光は、FITの対象から外れることになる。今後は、森林を伐採し、山を切り崩すようなメガソーラー(大規模太陽光発電所)は作られず、農地、道路、建物のようなすでに開発された土地の上に設置されるだろう。これは国土の利用効率を高める上でも有用である。道路や農地の場合、必ずしも自家消費にはならないが、電力消費地点に近いという点で、PPAにより再エネ電気を評価する需要家に売電しやすい利点がある。

 それでは、それぞれの形態で問題となっているのはなんであろうか。農地はいうまでもなく、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の制度上の問題である。現行制度では、農家自ら太陽光発電を実施する場合にはそれほど不都合はない。しかし、農地を借りるとなった場合に、途端にリスクが高まる。

 このため、農家が農地を使って「電気を作るのも農業の一環」として取り組むようになれば、より普及するのではないか。農業業界の努力で、日照の技術的問題、資金調達の方法を克服すれば、農業は「電力も生産するエネルギー業界」の側面を持つようになる。NEDOの試算によれば、耕作放棄地などには18GW~140GWの導入ポテンシャルがあり、「PV150GW」時代の最大の供給ソースとなる可能性を秘めている(図3)。

図3●太陽光発電の導入ポテンシャル
(出所:太陽光発電開発戦略・NEDO)
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 農業、建物、道路などに本格的に取り入れられるためには、太陽電池の軽量化、デザインの自由度、耐久性、安全性といった技術的な課題もまだ残る。しかし、それは時間とともに解決されるだろう。

 むしろ、着実に解決しなければならないのは、社会制度的な問題である。リスクを取る発電事業者は誰か、誰が電力を購入・消費するのか、系統連系の問題、ファイナンスの仕方などを勘案して再エネ普及の仕組み、制度を考えなければならない。それが、FIT制度に頼らず、太陽光発電を普及させる仕組みにつながる。

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