世界各地で「ブロックチェーン X エネルギー」をテーマにしたカンファレンスが実施され、いずれも盛り上がりをみせているという。日本のエネルギー業界でも、ブロックチェーンは注目を集めている。過去本連載でも何度か、ブロックチェーンについて紹介しているが、なぜ、エネルギーの分野でブロックチェーンが注目されているのか、改めてまとめてみる。

「AWS」からの民主化

 現在のクラウドサービスは、サーバーがすべての情報を把握し、データ処理してそれをクライアントコンピュータに表示させることが基本コンセプトである。Amazon Web Servicesが世界を席巻しているので、「AWSの世界」と呼ばれたりしている。中央のサーバーが全権限を持ち、全取引の情報処理を行う。中央集権方式である。

 それに対して、ブロックチェーンの活用が注目される理由は、個々のコンピューターが自律的にデータを処理し、取引や手続きを完了できる点である。

 ブロックチェーンは、もともとビットコインなど仮想通貨のために発明された技術であるが、そのほかにも様々な分野での活用が模索されている。改ざんが難しい特徴を利用して、途上国向けにIDに利用、中国政府が主導するスマート公共サービスの一環として土地の登記簿、選挙の投票の仕組み、ダイヤモンドの認定書と取引履歴の記録簿としての活用、積水ハウスが取り組みとして発表した不動産情報管理システムなどがある(図1)。

 サーバーが全取引を把握し、処理しなくても、取引が各スマートフォン同士で自律的に完結できる点で、新しい方式である。

図1●ブロックチェーンを不動産情報管理システムに活用
(出所:積水ハウス)
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