特に重要な「緊急駆け付け」

 太陽光発電といえども、発電設備であるため、電気事業法による義務を果たさなければならない。特に、重要なのは、事故発生時の「緊急駆け付け義務」であろう。

 2018年9月第1週に生じたスマートエナジーの緊急駆け付け事象を下図にまとめた。120か所のモニタリングを実施しているなかで、電気主任技術者が出動したケースは全部で40件、電気設備以外が原因だった27件は、通信設備異常である。電気以上に通信設備が脆弱であり、かつ原因がよく分からないケースが多い。電気を入れ直して再起動すると直ってしまう場合がほとんどである。

 1週間でPCSが止まった事例は、13件である。かなりの高頻度でPCSが止まる事故が生じている。そのうち、緊急出動したのは予め計画していた点検を除き11件。これらは、もし監視していなければ気付かない出来事である。

 低圧配電線に連系するシステムのように、きちんと監視していないサイトでは、PCS停止に1カ月以上気付かない場合もあるという。PCSの止まる理由としては所内原因が3件、系統原因が7件である。言い換えれば、PCSが止まる原因の70%は発電所内の原因でなく、連系している配電線に生じた異常によって生じている。

 近隣の工場で、突入電流の大きな設備が稼働したときなどに、系統に影響を及ぼす場合がある。そのとき、発電設備を守るために、発電所はリレーにより系統と解列するようになっている。重要なのはそのような事象はいつでも発生する可能性があるので、その場合には、速やかに配電会社と連絡をとり、安全を確認してPCSを再起動することである。

 一方、直流(パネル側)の原因によって、PCSが止まった事例は1件であった。意外かもしれないが、パネル等が故障して、PCSが止まることはほとんど無いと言える(図7)。

図7●2018年9月第1週に生じたスマートエナジーの緊急駆け付け事象
(出所:スマートエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]

システム効率の向上も可能

 太陽光発電設備は、きちんとメンテナンスを行えば、システム効率を上げることができる。また、日々の運営において、PCSが止まるような事象を可能な限り排除し、外部要因などでPCSが止まった場合であっても、速やかに再起動をかければ、発電設備は高い稼働率が期待できる。放置太陽光発電設備は、法律違反であるし、危険である。設備の性質を理解して、適切なO&Mが求められている。