「FIT外」で事業が成り立つには?

 FIT買取価格が14円/kWhまで落ちると、国の買取制度を利用しない「FIT外」のメガソーラーも視野に入ってくる。その場合のポイントは、電気購入者が誰なのか、何年間の契約なのか、単価はいくらなのか、という点であり、金融機関から資金調達をする場合には、その質問はシビアになるだろう。それらの条件を度外視したとして、いったいイニシャルコストをいくらに抑えれば、メガソーラーは成り立つのだろうか。

 買取単価については、変動があるため固定価格でなく、市場連動価格での買い取りが主流になると予想しているが、ここでは高圧の電気料金として仮に8円/kWhとする。また、環境価値(非化石証書)も売却可能であるから、環境価値として1.3円/kWhを上乗せする。

 1.3円/kWhはFITで買い取った電気の環境価値を売却する場合の値段として、経産省から示された最低入札価格である。したがって、買取単価は9.3円/kWhとなる。シミュレーションしてみると、設備利用率17.2%ではIRR1.5%となった。これでは、採算性が厳しいので、造成費・電力設備工事費込みで10万円/kWを実現し、設備利用率を18.5%まで上げることができればIRR3.7%となる。こうして、太陽光発電で10円/kWhを切ることができれば、FITを利用せず太陽光発電設備の普及が始まるといえる。

 ただし、いわゆるIPP(独立系発電事業者)として発電事業を営むには、今後「計画値同時同量ルール」を守ることが求められる可能性があり、蓄電池の設置が必要となるかもしれない。その場合は、蓄電池と太陽光発電設備一式で10円/kWhとなることが必要で、ハードルは上がる(図4)。

図4●97kWのメガソーラーを「FIT外」で想定したシミュレーション
(出所:筆者作成)
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