「設備利用率17.2%」の高いハードル

 ただし、14円/kWhを実現するための大きなハードルが、設備利用率である。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のデータを採用すると設備利用率は千葉県で11.49%である。NEDOの数値はかなり保守的なデータであることがわかってきているが、実際の設備利用率が平均14.0%(住環境計画研究所社調べ)とあることからみても、今回経済産業省が14円/kWhの根拠として採用した設備利用率17.2%はかなり立地の良い所であると言える。日照条件が良い場所を選定するほか、ケーブルや変圧などによる電力ロスを極限にまで低下させることが必要である。

 また、資本投下した際に必要な儲けを示す指標であるIRR(内部収益率)も税引前で5%から4%に切り下げられたが、日本でメガソーラーに関する知見と経験が蓄積したため、それに対するリターンが下がるのは適切である。現状4%程度の案件であれば投資家も買っていくため、5%から4%への切り下げも仕方ないだろう。

 これら根拠となる数値の中でも一番難しいのは17.2%の設備利用率を実現する立地の問題であろう。東西南のそれぞれの方向に日照を遮るものがなく、丘陵地のように朝早く、夕暮れ時も日射が見込めるような恵まれた立地条件が必要となる。

 もし、17%が見込めない立地であるなら、イニシャルコストを下げるか、見込みIRRを下げるしかない。例えば、計画している事業サイトで見込める設備利用率が日本の平均の14%なら、25%程度イニシャルコストを削減すれば、設備利用率17%の立地と同じ成果を出せる。数字で言えば、18.2万円/kWではなく、13.65万円/kWである。その場合の土地代は13.65万円/kWから発電システム代12万円/kWを除いて、3300円/坪となる。こちらの方が現実的かもしれない。

 また、14円/kWhの算定根拠となった造成費4000円/kW、電力会社接続費用1.35万円/kWも現実にはもっと高い。その場合には、システム代をさらに削減する必要がある(図2)。

図2●97kWのメガソーラーを実施したモデルケース
(出所:筆者作成)
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