本記事は、エレクトロニクス実装学会発行の機関誌『エレクトロニクス実装学会誌』Vol.19 No.5に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するにはエレクトロニクス実装学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(エレクトロニクス実装学会の「入会手続きについて」へのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(エレクトロニクス実装学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。『エレクトロニクス実装学会誌』の最新号はこちら(最新号目次へのリンク)。

1. 車載インバータの課題

 近年では狭い車両搭載スペースにもフィットできるように、インバータは小型高出力化が求められている。このようなニーズに応えるため、従来に比べて格段に高い電力密度のインバータ開発が必要となっている。さらに、低速回転から高速回転までの制御性、熱、振動の厳しい環境条件に耐える堅牢さに加え、大電流スイッチングによるEMC(Electromagnetic Compatibility:電磁環境両立性)の改善、万一の故障時のフェイルセーフ機能、熱疲労に対して高寿命であること、防水性および防塵性に優れること、絶縁性能を確保することなどがあり、これらの厳しい要求項目を低価格で実現することが求められる1),2)

 われわれはこのようなさまざまな要求に対応するため、電力、産業、民生などの多くの分野で培った実装・解析技術を駆使し、インバータの開発を推進している。図1にHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド電気自動車)/EV(Electric Vehicle:電気自動車)向けインバータの開発ロードマップを示す。2007年には、従来の間接水冷方式に代わる直接水冷方式を開発して、第1世代品および第2世代品においてインバータの小型化と高性能化を実現した。さらに第3世代品では、冷却フィンを全面液浸した直接水冷型両面冷却方式とすることで、電力変換装置のさらなる小型化も進めている3),4)。以下では、第3世代インバータに向けて開発したパワーモジュールの小型高放熱技術と、次世代パワーモジュールの低損失化に向けて期待されている炭化ケイ素(SiC)5)を活用するために開発したパワー半導体の実装技術について述べる。

図1. HEV/EV向けインバータの開発ロードマップ
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