本記事は、エレクトロニクス実装学会発行の機関紙「エレクトロニクス実装学会誌」Vol.20 No.5 pp.308-312に掲載された「ハイパフォーマンスコンピュータにおける光インターコネクションの将来展望」の抜粋です。全文を閲覧するにはエレクトロニクス実装学会の会員登録が必要です。会員登録、当該記事の閲覧は、エレクトロニクス実装学会のホームページからお進みください。

1.はじめに

 近年、ICT に要求されるシステムは大きな変革を遂げようとしている。人工知能(AI) が急激に拡大しており、AI 専用のニューロモーフィックチップ1) の開発が進み、AI 専用スーパーコンピュータが登場し、データセンタ内に設置される2) ようになってきている。

 ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC High Performance Computer) に求められる要求も多様化しており、従来は創薬、災害、気象、バイオ、環境などの大規模なシミュレーションが中心であったが、LINPACKで上位となる大規模なものからデータセンタ内や企業の中に持つ比較的な小型なものまである。データセンタについても、IoTの導入やクラウドサービスの拡大などによりデータセンタが急激に巨大化し、データセンタ内のネットワークの高速化や処理能力の上昇が必要となっている。HPCもデータセンタと同様で個々のノード(CPU) をつなげるネットワークが重要となる。

LINPACK:コンピュータ上で線型代数の数値演算を行うソフトウェアであり,本ソフトウェアを用いたLINPACK ベンチマークはコンピュータの性能値のランキングに活用されている。

 そこで、本解析においては、大規模なHPCの内部ネットワークであるインターコネクトについて、現状を分析し、今後のHPCでの光インターコネクト技術の展望について述べる。

2.ハイパフォーマンスコンピュータの実行性能の推移とインターコネクト

 前述したようにHPCへの要求は多様化しており、HPCの性能指標としても多種多様になってきている。もっとも有名なTOP500のLINPACK ベンチマーク3) はシステムの演算性能を測る指標であり、連立方程式の解を求めるプログラムを解く速度により順位付けされている。

TOP500:世界で最も高速なコンピュータシステムの上位500位までを6月と11月にランク付けし,評価するプロジェクト。

 このLINPACK ベンチマークの時系列推移4) とインターコネクトを図1 に示す。

図1.TOP500におけるHPCの実行性能推移とインターコネクト
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