日本スポーツ振興センターが9月1日に開いた記者会見の様子。新国立競技場の新整備計画に基づく公募型プロポーザルの審査では、コストと工期を最優先する考えを強調した(写真:日経アーキテクチュア)
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 ゼロベースでの見直しとなった新国立競技場の整備事業が再始動する。日本スポーツ振興センター(JSC)は9月1日から公募手続きを開始した。設計と施工を一貫して手掛ける事業者(優先交渉権者)の参加を受け付ける。

 参加申請の期限は9月18日まで。競技場の条件は観客席が6万8000席、整備費は1550億円(スタジアム本体が1350億円、周辺整備が200億円)が上限で、2020年4月末を工期とする。設計・監理などの経費は40億円程度を見込む。申請後、競争参加資格者は11月16日までに技術提案書を提出。技術提案等審査委員会が審査したうえで、年末を目途に事業者を決定するスケジュールだ。

新国立競技場整備計画のスケジュール
9月1日新国立競技場整備事業の公募手続きの開始
9月18日競争参加資格者の申請期限
11月16日技術提案書の提出期限
11月下旬~技術提案等審査委員会【技術提案書の審査】
12月末設計・施工・工事監理を行う事業者(優先交渉権者)の選定
2016年1月目途設計委託契約
~基本設計、実施設計~
同年12月末目途工事請負契約
~工事施工~
2020年4月末竣工の期限
(工期短縮の目標は同年1月末を期限)
同年7~9月2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会
(資料:日本スポーツ振興センター)

 JSCは9月1日に会見を開き、プロポーザルについての質疑に応えた。申請する事業者は、設計・施工・工事監理を一貫して担えるならば単体企業、もしくは設計事務所や建設会社などで編成する共同企業体(JV)のどちらでも参加できると説明した。

 JVの場合、「共同実施方式」(構成員数は2以上6以下)と「分担実施方式」(同2または3)、もしくはその併用方式での参加を認める。共同実施方式では共同企業体の構成員が事業を横断的に分割して担う。一方、分担実施方式は設備など担当する設計分野を分ける。

 JSCは施設計画の概要に加え、配置図や平面図、断面図といった基本図面(A2判12枚以内)のほか、業務の実施方針、事業費提案書、工程計画などの技術提案書を求める。応募者はPFI(民間資金を活用した社会資本整備)並みの技術提案書を準備する必要がある。

 WTO(世界貿易機関)対象となる公募型プロポーザルであるため、必要条件を満たせば海外企業も参加が可能だ。だが、限られた時間で膨大な資料を用意することは難しい。現実的には公募手続きに手を挙げられるのは、ごく限られた会社のみとなりそうだ。