1920年の箱根駅伝第1回大会に出場し、総合優勝の経験もある大学駅伝界の古豪・慶應義塾大学。第70回大会(1994年)以降は同校の本選出場は途絶えているが、2017年、古豪復活を目指すプロジェクト「慶應箱根駅伝プロジェクト」がスタートした。このプロジェクトの骨格を成すのは、「ランニングデザイン・ラボ」を中心とする体育研究所、スポーツ医学研究センター、システムデザイン・マネジメント研究科スポーツシステムデザイン・マネジメントラボ(以下、スポーツラボ)といった慶應義塾大学内のラボや研究センターだ。前編でレポートしたように、これらの研究組織では、これまでの陸上界では行われていなかったGNSS(測位衛星システム)を用いたリアルタイムトラッキングデータの取得に取り組むなど、「スポーツ×テクノロジー」で競技力向上を目指している。

 ただし、慶應義塾大学のアプローチはそれだけにはとどまらない。他のテクノロジーやチームマネジメントの手法を用いたコンディション強化など、様々な角度からチーム力の底上げを果たそうとしているのだ。後編では、同大学競走部ヘッドコーチを務める保科光作氏と、スポーツラボ代表でランニングデザイン・ラボメンバーの1人でもある神武直彦氏(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)へのインタビューを実施。プロジェクトの全容と今後の展望を聞いた。

2018年10月に開催された箱根駅伝予選会の様子
(写真:久我智也、以下同)
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