選手のプレー映像の分析は、あらゆるスポーツにおいてパフォーマンスの向上に不可欠な要素だ。しかし、分析に適した映像を撮りにくい競技も存在する。選手が目の前を時速90km程度の高速で通過するスキーのジャンプや、水泳の飛び込み競技などだ。

2018年2月に開催された平昌五輪の女子スキージャンプ競技で銅メダルを獲得した高梨沙羅選手
(写真:雑誌協会代表撮影)
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 通常、放送用には1台のカメラがパン(カメラを固定しながらフレーミングを水平・垂直方向に移動する技術)をして全体を撮影したり、複数台のカメラの映像を瞬時に切り替えたりしているが、選手を真横から撮影していないために位置情報を取得できず、事実上、分析には使えない。

 そんな課題のクリアを目指すテクノロジーが登場した。国内におけるスポーツ工学の第一人者である、慶應義塾大学SFC研究所スポーツ・ダイナミクス・インフォマティクスラボの仰木裕嗣教授とナノテックが開発した、飛行中のスキージャンパーなどを真横から広範囲に撮影できる「カスケードハイスピードカメラシステム」だ。ジャンパーの飛行フォームの分析に活用する。仰木教授のアイデアを元にナノテックがシステムを製作、2018年12月に開催された半導体産業の展示会「SEMICON Japan 2018」(12月12日~14日)で公開した。

慶應義塾大学SFC研究所スポーツ・ダイナミクス・インフォマティクスラボとナノテックが開発した「カスケードハイスピードカメラシステム」。ハウジング内に5台の高速カメラを内蔵している。「SEMICON Japan 2018」に出展した
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