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スポーツIT革命の衝撃

W杯で大活躍、「サッカーのウソ」見抜くビデオ審判の裏側

2018/07/12 05:00

内田 泰=日経 xTECH

 世界を熱狂させた「サッカーW杯」(2018FIFAワールドカップ)ロシア大会。1カ月におよぶ戦いが、2018年7月15日(現地時間)にいよいよクライマックスを迎える。今回の“表”の主役はさておき、舞台裏の主役となったのがテレビ放送でもお馴染みになった「VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)」だ。

 W杯では初めて採用されたVARによって、PK(ペナルティーキック)の判定が覆るなど、さまざまなドラマが生まれた。導入の明らかな成果の一つとして挙げられるのが“サッカーのウソ”、つまり選手がPKなどを獲得するために反則を受けたふりをする「シミュレーション行為」を見破れることだ。

誰もが認める才能を持ちながら、度重なるシミュレーション行為で批判を受けたブラジル代表のネイマール選手
(写真:雑誌協会代表撮影)

 そのウソが見破られて評判を大きく落としたのが、ブラジル代表のスーパースター、ネイマール選手である。2018年6月22日、ブラジルは予選ラウンドでコスタリカと対戦した。0-0のスコアで迎えた後半35分。ペナルティーエリア内でパスを受けたネイマール選手が相手選手に押されて倒された、ように見えた。判定はPKだったが、そこでVARが採用され、数十秒後に判定は覆された。

 ネイマール選手はかねてからシミュレーション行為が多いことで知られる。準々決勝のベルギー戦でもペナルティーエリア内で数回倒れ、PKを主張するもファウルは取られなかった。審判の目はだませても、VARには通用しないのだ。