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スポーツIT革命の衝撃

サッカー、ロシアW杯で解禁「リアルタイムのデータ活用」

2018/05/23 05:00

内田 泰=日経 xTECH

リアルタイム活用に向けた体制が不可欠

 実は、このシステムは2017年7月2日にロシアで行われたコンフェデレーションズカップ2017の決勝戦で、試験的に導入されていたようだ。FIFAによると、タブレット端末には選手やボールの位置データのほかに、選手の走行スピード、パスやプレス、タックルといったプレー内容の統計データに加えて、試合の映像が30秒間の遅延で配信されたという。今回のW杯でも同様のデータや映像が提供されると見ていいだろう。

 なお、既にJリーグでもトラッキングシステムによって、J1のすべての試合をデータ化しているが、リアルタイムでのデータ活用はまだ認められていない。

 Jリーグでは、米ChyronHegoの「TRACAB(トラキャブ)」というトラッキングシステムを利用している。TRACABは別方向を向いた3台のカメラが1つのボックス内に収められた装置を使う。スタジアムにはこの装置を2台設置して、ピッチを俯瞰。1秒間25フレームの映像から、「誰がどこにいたのか」という座標データを取得し、それを基に各選手の走行距離、スプリント回数、トップスピードなどを算出する。

「TRACAB(トラキャブ)」の専用カメラ。別方向を向いた3台のカメラが1つのボックスに収められている。写真はサッカースタジアムへの設置例(写真:データスタジアム)
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 リアルタイムのデータ活用は、W杯という世界最高峰の試合に大きな影響を及ぼす可能性がある。ただ、それをフル活用するには、リアルタイムでの分析に対応したチームの体制が不可欠になる。この点でも、優勝候補の一角であるドイツ代表チームは世界の先端を走っているとも言われている。