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スポーツIT革命の衝撃

縮むゴルフ市場に新風、ライザップ×ソニーのデータレッスン

2018/03/30 05:00

内田 泰=日経 xTECH

 「スポーツ×テクノロジー」で目標達成にコミット――。ダイエットなどボディーメークの分野で約10万人の顧客を抱えるRIZAP(ライザップ)グループが、ビッグデータ解析やAI(人工知能)など先端テクノロジーを活用したスポーツ分野での取り組みを本格展開する。その第1弾として、ゴルフレッスン「RIZAP GOLF」において、ソニーとの共同開発を通じて2018年4月1日に新サービス「RIZAP GOLF LESSON System」を開始する。

RIZAPグループ 代表取締役社長 瀬戸健氏(左)とソニー 執行役EVP CSO 十時祐樹氏(右)
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 RIZAP GOLFは専属のプロトレーナーが付いて、シミュレーター付きの完全個室で指導するレッスン。「自分史上最高のスコア」にコミットし、それを達成できないと全額を返金するシステムが特徴だ。料金は最も短い3カ月間、レッスン16回で34万8000円(税別)*1と高価だが、開始から約2年で15店舗を展開するなど順調に成長している。

*1 RIZAP GOLFは2018年4月1日から、新たなレッスンシステムの導入、およびシステムを取り入れたサービスの提供に伴って料金を値上げする。最も安いレッスン16回分の料金は、3月までは29万8000円(税別)だった。

 ただ、これまでの指導はトレーナーの“感覚”に依存する部分が多かった。上達には生徒とトレーナーの共通認識が不可欠だが、そこではトレーナーの伝える能力と生徒の理解力の双方が求められた。そこで、ソニーが開発したスイングを可視化・定量化するソリューションを活用し、「コミットの精度向上と達成までの期間短縮を目指す」(RIZAPグループ 取締役事業基盤本部本部長の岡田章二氏)としている。

映像とデータを高精度に同期

 ソニーは2018年1月、独自開発のセンサーを活用したレッスンソリューション「スマートゴルフレッスン」を発表している。これを基に、ライザップとともにUI(ユーザーインターフェース)などをカスタマイズしたのがRIZAP GOLF LESSON Systemだ。

グリップ下部に取り付ける加速度・角速度センサーを内蔵した小型計測装置(写真:ソニー)
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 スマートゴルフレッスンは、クラブのグリップ下部に取り付ける加速度・角速度センサーを内蔵した小型装置とスマートフォン(スマホ)/タブレット端末向けの専用アプリ、クラウドで構成される。センサーは同社が既に販売しているテニス用のセンサー「スマートテニスセンサー」をベースに新規に開発した。ゴルフの方がテニスよりボールを打った時の衝撃が大きくデータのダイナミックレンジが広いため、チューニングを施しているという。

 センサーはスイング時のクラブの振動など微小な変化を捉え、Bluetoothでデータを逐次アプリに送信する。アプリはそのデータから「ヘッドスピード」「スイングパス(軌道)」「フェースアングル(角)」「スイングテンポ」などを算出する。

ソニーの「スマートゴルフレッスン」の仕組み(図:ソニー)
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 同時に、アプリでスイング映像を撮影すると、アプリはスイングデータと映像を高精度に同期し、解析アルゴリズムで「アドレス」「トップ」「インパクト」の位置を自動検出。そしてスイング映像のインパクト部分から、前後5秒分のみを切り出して繰り返し再生する。

アプリはスイングデータと映像を高精度に同期し、解析アルゴリズムで「アドレス」「トップ」「インパクト」の位置を自動検出。映像を5秒分のみ自動で切り出して再生する(図:ソニー)
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