2019年1月19日、Bリーグは昨年に続いて2度目となる次世代型ライブビューイング「B.LIVE in TOKYO」を品川プリンスホテル(東京・港区)のステラボールで開催した。B.LIVEは同日、富山県立総合体育館で開催されたBリーグ・オールスター戦を品川会場で同時中継するもの。昨年は東京・恵比寿の会場と熊本の試合会場をつないだ。富山会場のオールスター戦のチケットはわずか6分で完売した。一方、品川会場でのB.LIVEは収容人数が昨年と比べ約2倍となったが、こちらも4000円のチケットが売り切れた。

B.LIVE in TOKYOの様子
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 B.LIVEでは、高精細な映像をはじめ、音や振動など、富士通の先端ICTテクノロジーを活用している。また、音楽や光による演出、ゲストによるトークなど、エンターテイメント性が高いのも特徴だ。単に“見る”だけのパブリックビューイングではなく、五感で楽しめる仕掛けがある。演出にはソニー・ミュージックエンタテインメントが「エンターテイメントパートナー」として協力した。

 富士通スポーツ・ビジネス文化イベントビジネス推進本部でシニアディレクターを務める渡邊優氏は「スポーツとICT、音楽や演出などを融合させ、そこに行かないと味わえない体験、あるいは試合会場以上に面白いと感じてもらえる体験の提供を目指しています」と話す。

32:9のワイドスクリーンに映される8K映像

 テクノロジー面では、昨年からの革新ポイントが3つあった。

 ひとつめは「8K技術による32:9のワイドスクリーン映像」だ。中央のメインスクリーンには、アスペクト比が32:9のワイドスクリーンを採用した。サイズは横14.2m×縦4mだ。通常、バスケットの試合をカメラで撮影すると、映像の上半分は天井やスタンドなど不要なエリアとなる。32:9という比率は、選手の動きを俯瞰しながら効率的に映すのに非常に適している。

メインスクリーンの大きさは横14.2m×縦4m。迫力ある映像が楽しめた
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 さらに、両サイドには275インチの2Kスクリーンを設置した。昨年は550インチのスクリーン1台のみだったのが、今年はそれに加えて計3台にした。3面マルチスクリーンを同期させることで、囲まれているような感覚を表現した。

3つのスクリーンで会場にいるかのような臨場感を演出
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両サイドの2Kスクリーンでは、シュートが決まったときなどに表示するエフェクトやベンチ映像などが映される。さまざまな視点で試合を楽しめるようになった
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 メインスクリーン向けには、8K技術による映像制作を行った。8K映像の中継制作は現時点ではコストが非常に高い。そこで、高価な8K機材で使用したのは8Kカメラのみにして、エンコーダー/デコーダーなど他の機材は現行の4K基材を用いて費用を抑えたという。

渡邊氏「メインスクリーンの横幅は8K分ありますが、縦は2Kになっています。4Kの画面をふたつ組み合わせて構成しているイメージです。ですが、ひとつのシームレスな映像ですので、パノラマを再現しています。8Kフォーマットで制作された映像を分割して、それぞれ4Kで送って最後に同期を取る。制作過程では最初の8Kインプットだけは8Kカメラですが、それ以降はすべて4Kで行っています。でも、見ているお客様にはそこを意識させません」

富士通スポーツ・ビジネス文化イベントビジネス推進本部シニアディレクターの渡邊優氏

 富山会場と品川会場はIPネットワークで接続した。映像は符号化の標準技術H.265/HEVCを採用した、富士通のリアルタイム映像伝送装置で圧縮し、100 Mbps以下の帯域の回線でも高品質な伝送を実現した。遅延はわずか0.3秒から2秒。シーンに合わせて画質重視か、スピード重視を自動で選択して伝送したのは昨年と同様だ。

渡邊氏「IPネットワークを使うことによって双方向で映像・音声のやり取りを行っています。富山会場との掛け合いのとき、遅延があると一体感が出ません。遅延をできるだけ小さくすることで、目の前にいるかのような掛け合いができます。3面のスクリーンに囲まれた感覚を再現するには、スクリーンの映像すべての同期を取って伝送する必要があります。映像を再生をしながら伝送するということも、この技術で実現しています」