JリーグとNTTがデジタルアセット活用推進へ、映像など資産を一元化

2019/03/19 05:00

長谷川 博=日経 xTECH/日経ニューメディア

出典: 日経 xTECH、2019年3月14日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)とJリーグメディアプロモーション、NTTグループは2019年3月14日に共同で記者会見を開いた。Jリーグは、2019年シーズンから著作権を有する全てのデジタルアセットを集約。制作・編集・供給・配信などを一元的に管理するデジタルアセットのハブ機能「Jリーグデジタルアセットハブ(通称、Jリーグ FUROSHIKI)」の構築に着手すると発表した。

Jリーグ チェアマンの村井氏(左)とNTT社長の澤田氏
[画像のクリックで拡大表示]

 Jリーグは、Jリーグ FUROSHIKIの活用により、ファン・サポーターの満足度向上や国内外での新たなファン獲得に貢献するコンテンツづくり、外国籍選手の増大を機とした海外でのコンテンツ販売収益拡大へのチャレンジ、サッカーの戦術や競技性の向上などを目指す。デジタルアセットのハブ機能及び事業ノウハウは国内のスポーツリーグ・団体などにも広く提供していく。

 JリーグとNTTグループは、Jリーグ FUROSHIKIを活用して新たな取り組みを順次進める。例えば観戦体験空間「デジタルスタジアム(仮)」では、スタジアムで行われている実際の試合をさまざまなデジタル技術を用いて、スタジアムから離れた屋内施設でリアルタイムに再現する。

 スタジアムにいるかのような感覚を体感しながらの観戦・応援はもちろん、従来のスタジアムとは異なる演出が可能な施設での開催により、各種ホスピタリティーを付随したハイエンドな映像やデータを活用した観戦体験など、多様化する観戦者ニーズに応える各種サービスの提供が可能という。

 プロトタイプとなるライブビューイングを中心としたイベントを、2019年5月12日の公式戦(ヴィッセル神戸 vs 鹿島アントラーズ)を対象に都内の屋内施設で開催する。

 Jリーグ FUROSHIKIを活用した新たな取り組みとして、J1クラブ向けの戦術分析ツール「LIVE SCOUTER」の提供を2019年3月29日に開始する。

 Jリーグの公式試合においてJリーグが撮影し、試合後に各クラブの強化担当に提供しているスカウティング映像(試合俯瞰映像)を、試合中にリアルタイムでクラウド上にアップロード。これにより、ハーフタイムや試合中に、監督・コーチがタブレット上のアプリケーションを使って目の前の試合の状況を常時振り返れるようにする。2019シーズンはJ1のみを対象にする。

 このほか、NTTドコモがDAZNからのサブライセンスを受けて提供する「docomo Sports VR powered by DAZN」において、Jリーグ FUROSHIKIに集約されたデジタルアセットにVRなどのxR技術を活用して、新たな映像サービスを提供する。

 Jリーグは今後、Jリーグ FUROSHIKIを活用した取り組みを、NTTグループをはじめとしたさまざまなパートナーとオープンイノベーションのスタンスで展開する方針である。

 具体的には、「競技性向上への活用(セントラル方式VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の実証)」、「海外向け映像、国内向けニュース映像提供内容の拡大(海外市場へのJリーグコンテンツ提供に向けた他国言語の字幕・CGの付与など)」、「映像制作プロセスのデジタルトランスフォーメーション(スタジアムでの自動撮影・自動編集(スマートプロダクション)など)」の3点を挙げた。

 Jリーグ チェアマンの村井満氏は、「Jリーグ FUROSHIKIにある高画質なデータを持ち込むことで新たなサービスが展開できると確信している」「今後、バスケや卓球など、さまざまな競技団体のデータも収めて団体ごとにサポートする構想を持っている」などと述べた。

Jリーグ FUROSHIKIのコンセプト(出所:発表資料から)
[画像のクリックで拡大表示]

 NTT社長の澤田純氏は、「(Jリーグは)海外展開も考えているようなので、その点もお手伝いしたい。賛同してもらえるのであれば、他の競技にも広げられるものと思っている」とした。