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スポーツIT革命の衝撃

5Gでフィットネス業界からスタジオ消滅? ライブ配信アプリの野望

2019/03/25 05:00

宇野 麻由子=日経 xTECH

無限に市場が広がるアプリ

 同社のフィットネスクラブ会員は約10万人。今回のWEBGYM LIVEでも同等規模のユーザー確保を目指す。その背後には「約40年間変わらなかったフィットネスクラブのビジネスモデルを変えたいという野望がある」と、同社の代表取締役社長 平塚秀昭氏は話す。従来、フィットネスクラブは店舗から2~3kmの範囲が市場という、物理的な”枠”があった。「アプリの場合、市場は無限に広がっている」(平塚氏)。同社ではアプリを含めたIT技術、IoT技術の活用によりフィットネスクラブにおけるこうした概念を覆すことを狙っている。

東急スポーツオアシス 代表取締役社長 平塚秀昭氏(写真中央)
(撮影:日経 xTECH編集部)
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 同社では、今回のアプリによりスタジオ-顧客間をつなぐだけでなく、スタジオ間の接続にも取り組んでいる。同社のフィットネスクラブには7つの常設のバイクスタジオがあり、拠点間をネットワークで接続することで、1カ所でのレッスンを別の拠点に配信できるシステムを構築済みだ。「スタジオプログラム数を増やしたり、人件費を抑えたりする効果がある」(平塚氏)。また、人気インストラクターは「追っかけ」状態のユーザーが付き、インストラクターが異動すると顧客も所属先を変更してしまうという課題があった。こうしたシステムを利用すればインストラクターがいるスタジオ以外のスタジオでもレッスンを受けられる。今回のアプリでは、自宅や出張先など、どんな場所でもインストラクターのレッスンを受けられるようになる。「人気インストラクターの力を最大限に活用することができる」(平塚氏)。

 将来的に狙うのは、場所の制約がないフィットネスクラブの展開だ。「今はライブ配信で実際に顧客のいるスタジオでの映像を生中継することで、アプリユーザーに臨場感を与えている。大量のデータをやり取りできる5Gを活用すれば、例えばホログラムで人の映像をその場に表示するといったことも可能になると聞いている。実際にその場に行かなくても、十分な臨場感を味わえるようになれば、もはやスタジオは必要なくなるのではないか」(平塚氏)。