韓国も遠隔医療に動く!予算を大幅増額(page 4)

2015/10/30 00:00
趙 章恩=ITジャーナリスト

「強化すべきは感染症対策」の声も

 2015年10月20日には、保健福祉部のチョン・ジンヨプ長官が記者懇談会を開催。遠隔診療を認め、制度化する必要があると訴えた。

 チョン氏はこの場で次のように述べた。「遠隔診療によって韓国の医療レベルは向上する。遠隔診療の技術が進展し、遠隔診療を中心に多様なサービスが開発されることで、高付加価値の先端医療を提供できる。そうなれば雇用も増える。医療法を改訂して遠隔診療を導入すべきだ。遠隔診療で大手病院にばかり患者が集中する、遠隔診療によって保険適用外の診療が増える可能性があるなど、遠隔医療に反対する声もあるが、こうした声に対しては説得を続けたい」。

 その上で、遠隔診療は「過疎地域の医療空白を埋められるため、公共医療の発展にも必要。医療のグローバル化のためにも求められる。さらに、遠隔診療は韓国の医療だけでなく経済も発展させる。国民健康保険の財政も改善できる」と述べた。チョン氏はソウル大学病院長の経験者で、以前から遠隔診療の推進派として知られる。

 このように保健福祉部は遠隔診療の重要性を強く強調しているものの、国会では遠隔診療よりも感染症対策の予算を増やした方がいいとの声もあがっている。韓国では2015年6月にMERS(中東呼吸器症候群)の感染が拡大し37人もの死者を出した。国会議員らはこれを教訓に、遠隔診療よりも感染症の疫学調査官を増やしたり、感染症の予防体制を補完するための予算を増やしたりする方が良いと主張している。保健福祉部の遠隔医療予算が計画通りに行かない可能性も出てきた。

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