韓国も遠隔医療に動く!予算を大幅増額(page 3)

2015/10/30 00:00
趙 章恩=ITジャーナリスト

実証実験では前向きな結果

 韓国において、遠隔診療にかかわる議論の論点となっているのは以下の点だ。(1)最近は農漁村や山間部にも病院のない地域は見当たらない。遠隔診療は本当に必要なのか。(2)患者の検査記録や医療記録が漏れたりハッキングされたりする懸念はないのか。(3)遠隔診療のための機材(システム)の標準化はどうなるのか。特定財閥企業が得をするだけではないのか。(4)技術的な問題が発生し、誤診につながった場合は誰が責任を取るのか。(5)医師が患者を直接診ないで処方箋を出すのは危険ではないか。(6)遠隔診療が可能になると、患者は都市部の大病院で診療を受けたがるようになり、町の医院に患者が来なくなるのではないか。(7)スマートフォンやタブレット端末をうまく使えない人は、遠隔診療を利用したくてもできないのではないか。

 保健福祉部はこれらの懸念を解消するためにも、予算を増額して研究と実証実験を続けたいとしている。同部の実証実験には医療従事者だけでなく、統計や法律の専門家も評価委員として参加。臨床的安全性や有効性、経済性(病院に行く費用や時間の節約効果)、医師と患者の満足度などを分析している。

 保健福祉部が公開した2014年度の実証実験結果によれば、参加した慢性疾患患者1200人の服薬順応度(服薬時間や回数を守るかどうか)や医療情報(医療従事者による説明や情報提供)に対する満足度は高かった。利用した医師の側も、遠隔診療システムを今後も使い続けたいと答えた。一方、遠隔診療を安定的に提供する観点からは、システムのセキュリティー技術を補完したり、患者データ管理の標準ガイドラインを制定したりすることなどが課題として残された。

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