「ITpro」2016年7月10日公開の5Gしかできないこと「5Gの実証実験が本格化、キャリアが仕掛ける『高度な警備』」を転載した記事です(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)。

 「パートナーと一緒に5Gで新しいサービスやビジネスを作り上げていきたい」。NTTドコモは2017年5月、5Gのサービスを体感できる「5Gトライアルサイト」を始めた。第1弾の実験場は開業5周年を迎えた東京スカイツリータウン周辺。8Kライブ映像の配信、6台の4Kカメラを利用した展望デッキからの180度ライブ映像配信、東武鉄道の新型特急「リバティ」における4K映像の配信などのデモを披露した。

 これに前後して、5月は5G関連の発表が目白押しだった(図1)。総務省は新たな市場の創出に向けて「5G総合実証試験」を開始すると発表。東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」ではNTTドコモやKDDIが5Gのデモを大々的に展示し、基地局ベンダーもそろい踏みで華を添えた。携帯電話大手3社や基地局ベンダーは今後も実証実験を積み重ね、商用化に向けて磨きをかけていく構えだ。

図1●5G関連の主な動き(2016年度以降、発表ベース)
効果的なユースケースを模索すべく、異業種と組んで実証実験を始める例が目立ってきた。
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 もっとも、5Gはまだ標準化が完了していない。日本では東京オリンピック・パラリンピックをショーケースとすべく、「2020年に商用化」が漠然と決まっているだけだ。ただし、3GPPは2017年3月、5Gの無線方式である「5G NR」(New Radio)の仕様策定を前倒しすることを決定した。LTEとの併用を前提とした「NSA」(Non-standalone)型は年内(2017年12月)に仕様が固まるため、周波数の割り当て時期によるが、2019年の商用化も現実味を帯びてきた。実際、ソフトバンクは「正式にはまだ何も決まっていないが、2019年に商用化できるように準備を進めている」(モバイルネットワーク本部ネットワーク企画統括部技術企画部の船吉秀人部長)という。

 以下では、いよいよ本格化してきた実証実験を中心に5Gの現状を見ていく。まだ5Gならではのユースケースは少ないが、警備や自動車といった分野では確かに期待の声がある。続く後半では、識者に5Gへの期待や展望を聞いた。

8K▲
横方向が約8000画素の高精細映像。放送向けの画素数は7680×4320画素で、開発を推進するNHKは「スーパーハイビジョン」とも呼称している。
4K▲
横方向で約4000画素の解像度を持つ高精細映像。放送などに使われる横縦比が16対9の映像の画素数は3840×2160画素で、フレームレートは最大120フレーム/秒(120p)。放送向けでは60p、映画は24pが選ばれることが多い。
180度ライブ映像配信▲
1階に設置した大型液晶ビジョン3面にリアルタイムで映し出す。展望デッキの景観を手軽に楽しめ、夜景もきれいという。
5G総合実証試験▲
携帯電話大手3社のほか、NTTコミュニケーションズ、国際電気通信基礎技術研究所、情報通信研究機構(NICT)が実証試験の実施主体として選ばれた。
漠然と決まっている▲
周波数の割り当ても決まっていないため、漠然とした回答しかできないという事情もある。

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