中国の金持ちクラブといかに戦うか

 既に中国には、年間売り上げで500億円を超えるクラブが数個出てきています。ACLではこうしたクラブと戦わなければなりません。単純に財力では勝てませんが、彼らは500億円をピッチ(=チーム強化)に投資している一方、我々はクラブに100億円を投資すれば何とか戦えるのではないかと考えました。2020年の東京オリンピック以降を見据えて戦略を立てる時期に来ており、2019年から投資フェーズに入ります。

 そこで重要になるのが「デジタル」です。ブランドを作ったり、地域との関係を支えるのがデジタルへの投資です。

 鹿島アントラーズの一番の課題はマーケットです。スタジアムの半径30キロは半分海で半分は千葉県。活動エリアのホームタウン5市で合計28万人、千葉県を含めてもスタジアムまでの移動時間100分以内の商圏に78万人しかいません。しかも、この人口規模が50年後も存在するわけがないので、ファンの基盤をしっかりするためにデジタルが重要になると考えています。

 我々が潜在的なファン数を推定するためにネット上で調査したところ、合計で856万人、デジタルで何らかの情報が取れる人は360万人という結果が出ました。これらのすべての人がスタジアムに来るわけではありませんが、デジタル経由であれば潜在顧客はこれだけいる、というのがこの戦略の出発点です。

鹿島アントラーズのデジタル戦略
(図:鹿島アントラーズ)
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 さらに10年後の顧客は誰かと考えると、ほぼデジタルを使える人になるでしょう。ここで収益を最大化できるかがクラブ経営の重要なポイントです。この視点を外すとデジタルの取り組みを間違えることになります。