日本では初の本格的スポーツ施設イベント「スタジアム&アリーナ2016(Stadia&Arena Asia Pacific2016、以下、S&A)」(主催:英ALAD社、共催:コングレ、スペースメディアジャパン)が、神奈川県横浜市の横浜アリーナで2016年9月26日から始まった。

 S&Aは1999年に英国で誕生したイベントで、スポーツ施設のオーナーや管理者、競技団体、サプライヤーなど、スポーツ施設に関わるプロフェッショナルたちが一堂に介する。これまでは欧州を中心に開催されてきたが、今年は、今後数年で世界的スポーツイベント(2019年のラグビーW杯、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ)が目白押しとなる日本での開催となった。

 3日間の開催期間中、スタジアムの設計・建築、スタジアムやアリーナの施設管理・ファンサービスなどに関する25のカンファレンスが開催され、国内外のスポーツ施設ビジネスに関わる64の企業・団体の展示などが行われる予定だ。

S&A2016には、日本だけではなく英国やフランス、ドイツなど16の国と地域の企業・団体が出展。このイベントを機に、企業間のグローバルなビジネスに発展していくことも期待されている
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 出展企業の中にはスタジアムやアリーナの観客席に用いるシート(イス)の国内シェアトップを走るコトブキシーティングや、世界的な人気を誇るスペインのサッカーチーム、FCバルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」の新スタジアム設計コンペを勝ち取った日建設計など、近年注目度が高まっている企業も出展しており、スポーツビジネス関係者から熱い視線が注がれていた。

負の遺産を正の遺産に転換へ

 イベントの幕開けとして行われたウェルカムスピーチには、高橋道和氏(スポーツ庁 次長)、武藤敏郎氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 事務総長/CEO)、大河正明氏(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ チェアマン)、嶋津昭氏(ラグビーワールドカップ2019組織委員会 事務総長)、村井満氏(日本プロサッカーリーグ チェアマン)といった、日本のスポーツ関連組織の要職に就く5人が登壇。日本のスタジアムが社会に与える影響や今後のあり方などについてプレゼンテーションした。

 スポーツ庁の高橋氏は「日本のGDP(国内総生産)成長のためにはスポーツの成長産業化が重要な役割を果たすと考えており、そのためにはスポーツ施設をコストセンターからプロフィットセンターにする『スタジアム・アリーナ改革』が不可欠である。これまで国がスタジアムやアリーナを造る時には、スポーツを『すること』に重点を置いていたが、これからはスポーツを『見せる』観点で施設の整備が必要である。国としては、ガイドライン整備や先進事例の形成支援などを行い、スタジアム、アリーナで稼ぐための場をつくっていきたいと考えている」と語った。