埼玉西武ライオンズの本拠地「メットライフドーム(旧西武ドーム)」の改修がスタートした。球団を運営する西武ライオンズが180億円規模をかける改修計画を発表したのは2017年11月。公式戦やファンサービスの既存サービスと並行しながら取り組まなければならないなど、改修には新設とは異なる難しさがある。

 その改修プロジェクトを担当する西武ライオンズの光岡宏明氏(経営企画部長兼ボールパーク推進部長)に聞くインタビューの後編。前編では、西武グループの中で球団が置かれた現状、具体的な球場改修の方向性などについて聞いた。後編では、ドームの内外をつなぐ新しい動線の取り組みや、改修の先に西武ライオンズとして目指すことなどを語ってもらった。
(聞き手は、石井 宏司=スポーツマーケティングラボラトリー)
改修後のメットライフドームの3塁側コンコース付近(画像:西武ライオンズ)

開放型ドームの特色を生かす

―― 開放型ドームという特徴を生かして、球場の内外連続型でエリアを拡張していくという考え方は逆転の発想ですね。ドーム外への拡張では、ショップにつながるデッキやキッズパークを設けるという話でしたが、その他にはどのような空間にしていくのでしょうか。

光岡 これまでは最寄りの西武球場前駅の改札を出ると様々なサービスを提供するエリアがあり、そこを抜けると球場のゲートがあるという構造でした。そのため、球場のゲートを入ってしまうと観戦者が出てこないという動線になっていました。

 そこで、改修後はゲートを球場から離して、もっと駅の改札に近い手前に移動します。そうすることで、球場外の外周エリアも「球場の中」と感じてもらえるようにし、そのエリアに新しいショップやフードコーナーを設けることで催し物を開催できるようにします。

 第二球場への動線も改善する予定です。現状は明確な動線がなく、第二球場に行くためには駐車場を突っ切らなければならない配置になっています。そこにきちんと道を造って、道に名前をつけて、分かりやすくします。

 このように様々な点でスタジアム周辺エリアの回遊性を高め、分かりやすく楽しんでいただけるように工夫していきます。

球場の外に拡張するエリアのイメージ(図:筆者)

―― なるほど。ファンとつながるポイントをきちんと見えるようにしていくということですね。海外では試合のない日にスタジアムツアーがあったり、スタジアムのショップやミュージアムが充実していたりしていて、それが観光ツアーに組み込まれています。公式戦がない日にそうしたビジネスを展開することは検討していますか。

光岡 検討中ではありますが、公式戦がない日もフードエリアやキッズエリアを開放したり、ゲート内の一部エリアを見学できるようにしたりすることを考えています。ほかにも、外からドーム内を見られるようにするかどうかは今でも検討しています。

 ただ、試合がない日のサービスとして、そうしたビジネスが成立しているスタジアムは、都会の一等地にあるケースが多い。メットライフドーム周辺で本当に集客できるのかについては精査していきたいと思います。