スタジアムを核とした新しい街から新しい長崎の風景をつくりだす――。JリーグのV・ファーレン長崎を運営するジャパネットホールディングスが、民間投資によるスタジアムを中心とした街づくり計画「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進めている。2018年10月31日に、三菱重工業と同社の長崎・幸町工場跡地の不動産売買契約を締結。長崎駅からほど近いこの地に、ホテル・マンション・オフィス棟・マーケットを併設した複合型のスタジアムを建設する。竣工目標は2023年。約500億円を自社で投資する大規模プロジェクトだ。同プロジェクトを担当する、ジャパネットホールディングス 経営戦略部シニアリーダーの金水文平氏に聞いた。(聞き手:内田 泰=日経 xTECH、谷口りえ=日経 xTECH/日経アーキテクチュア)

*1 ジャパネットホールディングス代表取締役社長 兼 CEOの髙田旭人氏は、日経BP社が2019年3月20日に開催するイベント「Sports Tec&Biz Conference2019」の基調講演「民間投資によるスタジアムを起点とした地域活性化構想」に登壇予定。
スタジアム内のイメージ。観客席からグランドを見たところ。ACL基準の2万席以上を確保する予定。イメージでは屋根の一部が透明素材になっている
(図:ジャパネットホールディングス)
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「長崎スタジアムシティプロジェクト」を通じて、長崎の街にどのような貢献ができると考えていますか。

金水 V・ファーレン長崎の試合にはアウェーのお客さんもたくさん来られます。そうした人たちに、長崎だからこそできる体験を提供し、長崎の観光地としての魅力を高めたいと考えています。アウェーのお客さんたちへの長崎のおもてなしは、今でも優れています。ハードウエアも合わせて強化し、「長崎のおもてなしは日本一だ」と思ってもらえる施設にしたいです。

 そのためには、スタジアムだけでなく、すぐ横にホテルやレストンがあることが重要になってきます。「シティ」にすることでそれを実現できるのです。

「長崎スタジアムシティプロジェクト」を担当する、ジャパネットホールディングス 経営戦略部シニアリーダーの金水文平氏

スタジアムの複合化は「マスト」の要件なのですね。

金水 そうです。まずは自前の施設で他にない体験を提供してサッカーの試合を楽しんでもらいたいですが、サッカーに興味のない人も含めて「家族全員が楽しめる施設にしたい」というのが複合化の理由です。試合前後の時間を含めておいしいものを食べたり、買い物をしたり、また子供が勉強ができたり、などさまざまな体験ができるようにすることを想定しています。複合施設は自社で運営します。また、複合化して他の施設で稼ぐことによって全体の収支を良くする効果もあります。

長崎港上空からのバードビュー。手前が複合型スタジアムのイメージ
(図:ジャパネットホールディングス)
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複合型スタジアムができることによって、交流人口はどの程度生まれると想定していますか。

金水 試算はまだできていません。今はともかく、どんなことをすると、長崎県の外から来る人だけなく地元の人たちが楽しめる場を創れるかを考えています。例えば、イベントの開催を検討しています。

コンサートなどエンタメを呼び込む計画はありますか。

金水 スタジアムのほかに、アリーナを併設するかどうかも検討しています。新スタジアムでサッカーの試合を開催するのはもちろんですが、もしアリーナができれば他のスポーツやコンサートを中心にさまざまなイベントを展開していきたいと考えています。

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