第5世代移動通信システム(5G)を推進する場として、2014年9月末に産学官連携の「第5世代モバイル推進フォーラム」が発足した。会長に就いたのは、黎明期からモバイルの研究を続け、多くの人材を育てたことで知られる京都大学の吉田特任教授。フォーラムの狙い、2020年の情報通信について聞いた(取材日は2014年12月9日)。

(聞き手は加藤 雅浩=日経コミュニケーション編集長)

吉田 進 Susumu Yoshida
1971年3月、京都大学工学部電子工学科卒。1973年3月、同大学院工学研究科修士課程修了。同年4月、同大学工学部助手。1978年5月、工学博士(京都大学)。その後、助教授を経て、1992年3月に工学部教授。同大学院工学および情報学研究科勤務を経て、2013年3月、定年退職。同年4月、名誉教授。10月より京都大学総長室特任教授。2014年9月に第5世代モバイル推進フォーラム会長に就任した。40年にわたる京大在職中、情報通信技術分野の教育研究に従事。特に、最初の3年半を除いて市街地多重波伝搬の解析、耐多重波変調方式や無線信号処理など高信頼度ディジタル移動通信(網)の実現に向けた基礎研究に従事した。学外では、日本学術会議会員、総務省情報通信審議会委員、電波産業会(ARIB) IMT-Advanced無線インタフェース提案検討会座長、電子情報通信学会会長、副会長などを務めた。

―第5世代モバイル推進フォーラムの設立経緯や概要を教えてほしい。

 2013年ころから世界中で「5G」(第5世代移動通信システム)がホットトピックスになってきた。どのようなビジョンで、何がコア技術になるのかの議論が始まった。

 そんな中、総務省の電波政策ビジョン懇談会が2014年7月に公開した中間取りまとめの中で、日本としての5Gの研究開発の取り組みを加速する必要があると明記された。これが契機となり第5世代モバイル推進フォーラムが2014年9月30日に立ち上がった。

 日本における5Gの技術的な検討は、これまで電波産業会(ARIB)内に設置された「2020 and Beyond Ad Hoc」が進めてきた。ただARIBのメンバーしか参加できず、産学官を含む誰もが参加できるオールジャパンの体制で5Gを検討する場が求められていた。

 第5世代モバイル推進フォーラムでは4つの委員会を作った。移動通信にとどまらず、アプリケーションを含めて利活用を議論する「アプリケーション委員会」や、ネットワーク仮想化なども検討する「ネットワーク委員会」なども設置し、幅広いプレーヤーが知恵を出し合える場にしている。

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