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Bリーグ、日本スポーツ界の革命

プロのクラブは、「地上戦」が強くないとダメです

Bリーグ・大河チェアマンに聞く、リーグ成功への道程(前編)

2016/09/21 00:00

上野 直彦

 野球、サッカーに続く、日本プロスポーツ界の新しい起爆剤として、各方面からも熱い視線が注がれる男子プロバスケットボールリーグ「B. LEAGUE」(以下、Bリーグ)がついに明日9月22日に開幕を迎える。

 昨年9月15日に新リーグ名称を「Bリーグ」に、運営団体のジャパンプロフェッショナルバスケットボールリーグ(JPBL)のチェアマンに日本バスケットボール協会(JBA)専務理事兼理事総長だった大河正明氏が就任することが発表されてから1年。銀行勤務からJリーグ事務局入りした大河氏が、再度辣腕を振るい、ゼロからつくり上げたのがこのBリーグである。その「元年」への思いと、将来のビジョンを聞いた。(聞き手は、上野 直彦=スポーツライター)

(写真:加藤 康)
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―― 先日の「熊本地震復興支援 B.LEAGUEチャリティーマッチ」をチェアマンとしてどう評価していますか?

大河 チャリティーマッチなので、勝負がかかったガチンコの試合ではありませんでしたが、観に来ていただいているお客さんは選手の技量を楽しみに来場していました。緊迫して真剣にやっているところと、くまモンの登場という仕掛けで和むところとがあり、そういう強弱のある試合を今後も是非やりたいと思っています。リーグ戦と違い、告知が十分にできず、かつ平日の夜というのに、多くのお客さんに来ていただきました。オールスター戦になると試合内容がショーに近いような感じになり、真剣味に欠けるのですが、本当に選手が熊本の復興支援に真剣に取り組もうという気持ちを見せてくれて、内容的にも良かったんじゃないかと思います。

―― Bリーグ開幕目前です。大河さんは昨年9月15日にチェアマンに就任しましたが、今この段階で考えている最大の課題は何でしょうか?

大河 いろいろありますが、リーグを通してお客さんがたくさん来てくれるかどうかというのが一番の課題だと思います。それとBリーグには「代表が強くなれるリーグ」という大きな方針があります。バスケットボールの日本女子代表はリオデジャネイロ五輪であれだけ活躍しましたが、男子は40年間、オリンピックに出ていません。男子の強化をうまく図る1つの武器にBリーグをすることが次の課題だと思っています。

―― 観客動員の取り組みはいろいろあると思いますが、どういうところに力を入れていますか?

大河 やはりBリーグをどれだけ認知してもらえるかという点が大きいですね。そしてリーグを認知してもらうと同時に選手を売り出していかなければなりません。田臥(勇太)選手と五十嵐(圭)選手ぐらいしか一般的には知られていないという状況から、早くいろんな選手を覚えてもらおうと、ソーシャルメディアを中心に浸透させてきて、手応えを感じられるようになったことは間違いないのですが、開幕を控え、テレビや雑誌といったメディアも使い、ドーンとBリーグの認知度と選手の売り出しを図りたいです。

―― 実際に観戦してみて、やはり、会場で生の試合を観る機会を増やすことも課題と感じました。

大河 現在、B1リーグ(Bリーグ1部)に所属しているチーム同士の試合で入場者数は平均2000人くらい。そのうちの半分以上がバスケットボール経験者や、もともとバスケットボールに興味を持っている人のように思います。あれはトラベリングだとか、ファールだとかいう声が観客席からすぐ飛ぶところが目立ちますので。初めて来た人はそういうことになかなか気づきません。だから、もっともっと初めて観戦に来る人を増やしたい。

 やはり、ソーシャルメディアでの情報拡散は効果が大きいと思っているので、リーグ戦が始まってからも力を入れていきます。同時に、各チームには、例えば田中大貴選手や、比江島慎選手といった売り出したい選手がいます。バスケットをやっていた、やっていないに関係なく、そういった選手を見たいというお客さんが来るようになるといいですね。

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