米シェールオイルの生産にも限界が・・・

 OPEC諸国とチキンゲーム(消耗戦)を続ける米シェールオイル産業は、これまでのところしたたかだ。特に、米トランプ大統領が6月2日、地球温暖化対策の枠組みである「パリ協定」からの離脱を表明したことで、シェールオイルの増産が進むとの見方が広がっている。

 米エネルギー情報局(EIA)は、シェールオイルの生産量は2017年8月に日量558万バレルに達し、2007年の統計開始以来の最高水準に達したと報告。2017年および18年の生産量は2年連続で過去最高を更新すると予測している。全体の原油生産量も2018年には初めて1000万バレルを突破するとの見通しを示した。

 確かに、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズ社によれば、12月1日時点の原油・ガスのリグ(掘削装置)稼働数は929基(うち原油は749基)で2週連続で増えているものの、ひと頃の勢いはない。EIAの楽観的な予想に対して、シェールオイルにも限界が見えてきたとの見方もある。

 現在、北米のシェールオイルの産地には、DUCs(Drilled but Uncompleted Wells : 掘削済みだが、未仕上げの抗井)と呼ばれる生産開始の前段階にある抗井が既に4000基強あるといわれる。つまり、シェールオイルはしばらくは増産しやすい状況にある。

 しかし、1本のシェールオイルの油井は2~3年でピークを迎え、その後は急速に生産量は減る。増産を持続させるには、次々と新規の抗井を増やす必要がある。

 問題は、既に優良な鉱区はほぼ開発し尽くされ、さらに抗井を増やすには、高コストの鉱区開発が欠かせないが、これまで3年間にわたり原油価格が50ドル前後で低迷したことにより、新規の開発投資が進んでいない。

 シェールオイルにとって、いわば「油田在庫」に相当するDUCsが継続的に開発されていないとすれば、シェールオイル自体の生産量もいずれ減少に向かう。

2018年末、世界石油需要は日量1億バレルへ

 一方、世界の石油需要は増加している。IEAは2017年11月の月報で、世界の石油需要は2017年の日量9770万バレル(前年比160万バレル増)から18年には同9890万バレル(同120万バレル)に達するとの見方を示した。2018年10~12月期には同9970万バレルと史上初めて1億バレルをうかがうことになる。

好調な世界経済を背景に伸びる
世界の石油需要
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