潜在市場は7兆円…

 上述のような電子薬の商業化が進んだ場合、薬剤不耐容例への対応、あるいは、既存の薬剤の効果を増強/補強する目的で、臨床現場での活用が進むかもしれない。エビデンスの構築や安全性の検証が進むと、現行の薬剤治療と比べて、薬剤由来の副作用の低減、通院頻度の減少、半永続的な治療効果が得られる治療法となることが期待される。

 さらに重要な点は、治療コストの低減が期待されることだ。仮に現行のDBSシステム(脳電気刺激装置)の保険償還価格レベルの設定となった際には、200万円程度、ワンショットの導入で済む。

 振り返って、医薬品の市場規模をモダリティ別・疾患別に視てみよう(図表4 )。売上高上位を占めるバイオロジクスの適応は、こうした電子薬がターゲットとしている疾患と重なり合っており、これら自己免疫疾患の抗体医薬品や代謝・内分泌系のたんぱく質製剤の代替となると措定すると、数兆円規模の市場ポテンシャルを有することになる。

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