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クスリを売らなくなる日を見据えて

[第1回] 産業変化の背景

2018/08/01 11:00
増井 慶太=アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル

 「20年後に我々は薬を売っていないかもしれない」。

 とある製薬企業との長期研究開発戦略立案に関するプロジェクトの討議中、クライアントが発した言葉だ。近年、“Beyond the Pills”(医薬品を越えて)の掛け声のもと、「医薬品以外」の事業機会を模索する製薬企業が増加している。

“Beyond the Pills”という掛け声

 製薬業界は、創薬から販売に至る精緻な管理プロセスを整備したうえで、人々の健康に貢献する製品を創出してきており、結果として永らく安定した事業基盤を担保してきた。一方、当局の規制や社会保障費の舵取り、サイエンスやテクノロジーの制約に大きく依存する産業であることは否めない。昨今の急激な外部環境や内部環境の変化が、従来型のバリューチェーンの枠組みを越えた新たな事業モデルの構築や、従来とは異なる技術領域への進出を要請している(図表1)。

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 具体的には、次の3つの外部環境・内部環境の変化が顕在化しており、現行の製薬業界のバリューチェーンや事業モデルに対して大きなインパクトを与えるものと考えられる。

(1)医療財政悪化に伴う薬価の切り下げ
2018年の診療報酬改訂では、-7.5%程度の薬価切り下げが行われる。2018年度に提示された「薬価制度の抜本改革」では2020年度以降の毎年薬価改正も盛り込まれている。社会保障費全体に占める薬剤費の支出は2割程度であるが、今後も複数の手段により薬価が切り下げられる(製薬企業にとって)世知辛い傾向は進むものと考えるのが妥当だろう(図表2)。

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