「非製薬産業」発の異業種技術が進化

 一方で、臨床上の強烈なインパクトを予見させる破壊的な技術のイノベーションの萌芽が現出している。これらの技術は既存事業(製薬)と他産業との間の境界線上に現れるもので、例えば、医療機器と検査/診断技術の進化、医療機器の進化、医療ICT/IoTの進展、ヘルスケア(食品)の進化などが挙げられるだろう(図表5)。

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 また、それら異業種との接点強化を加速させるものとして、複合的治療法の登場が挙げられる。複数の薬剤、さらには医療機器、食事・運動・リハビリ療法との輻輳的な組み合わせが治療効果の向上をもたらすことが期待される(図表6)。

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 製薬企業は、過酷な外部環境に置かれつつも、自身の事業・技術の資産をうまく組み合わせて活用することで、新たな事業基盤を構築することができるかもしれない。医薬品以外の事業機会を模索することが次世代の医療のパラダイムを先んじるチャンスになり、さらに重要なことは、そうして新規事業を検討することで得られた資産が本業の医薬品の技術・事業基盤を強化することにもなりうるということだ。

 「我々はMoonshotを目指すんだ!」とは、とある製薬企業の新規事業開発担当の言葉。世知辛い外部環境の中、保守的と呼ばれがちな製薬企業発の破壊的イノベーションが生まれる日を考えるとワクワクしてこないだろうか。