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スポーツとイノベーション

人口減に負けない、世界に「日本」売り込むJリーグ海外戦略

「KEIO Sports X」報告(1)

2016/11/07 00:00

久我 智也

 アジアにはサッカーに使われるお金はたくさんあるのに、それがアジアのためには使われていないという状況を見て、そのお金をJリーグで獲得できないかと考えました。2000億円のうちの10%でもJリーグに入ってくるような仕組みを構築できれば、我々が求めている第3の収益の柱を作ることができるのですから。

「弱かった」「歴史が浅い」「アジアにいる」という “強み”

 では、アジアのお金をJリーグに取り込むためにはどうすればいいか。それを考えるために、まずJリーグの強みについて見つめ直しました。私が考えるJリーグの強みとは、「弱かった」「歴史が浅い」「アジアにいる」という3つです。「それは強みではなく、むしろ弱みなのではないか」と感じる方もいるでしょう。しかしこれこそが、Jリーグにアジアマネーを取り入れるための重要なキーワードなのです。

 はじめにお話したように、かつて日本のサッカーはとても弱かった。韓国や中国どころか、東南アジアの国にもなかなか勝つことができませんでした。しかしJリーグを作ったことで急速に成長し、今ではW杯の常連国になりました。こんなにも急速に成長を遂げた国は、世界を見ても日本だけです。ですから、逆の視点で言うと、我々は弱く歴史が浅かったからこそ、短期間で強くなるノウハウを持っているということです。

 さらに日本は、経済成長を続けるアジアの一国です。同じアジアの一員だからこそ、アジアの人々に対して「共に成長していきましょう」というメッセージを発することができるのです。

 だからJリーグは、同じアジアの国々に対して「短期間で強くなるためのノウハウ」を売り込んでいくことで、アジアからヨーロッパに流れるお金の一部を取り込むことを目指しました。1つの国から3億円ぐらいを売り上げ、それを10カ国に展開すれば30億円になります。リーグ全体の売上を120億円から150億円に伸ばすことを目指し、アジア展開をスタートしていきました。(談)