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スポーツとイノベーション

健康寿命を予測 アシックス、運動データ武器に健康増進プログラム

2019/04/05 05:00

内田 泰=日経 xTECH

食事制限で本当に健康になっている?

 同プログラムの開発に携わったスポーツ工学研究所インキュベーション機能推進部部長の勝眞理(かつ・まこと)氏は、健康診断結果を元にした食事制限や運動の指導などに常々疑問を抱いていた。一般に行われている食事制限や運動指導は、個々人に合ったものなのか、それを受けた人たちが本当に健康になっているのか・・・。

 「体重100kgの人に、ダイエットのために毎日1万歩以上を歩くようにと指導しても、もしその人の筋肉量が不足していたら膝などを痛めてしまう危険性がある。つまり、指導をするにしても現時点でのやり方では絶対的な情報量が不足している。例えば、体力テストは大学生まではやるが、社会人になるとほとんどやらない。これでは本当の健康度は分からない」(勝氏)。

 こんな疑問をきっかけに約2年前からプログラムの構想を進めた。アシックスは2016年に、2020年度までを見据えた中期経営計画「ASICS Growth Plan (AGP) 2020」を発表した。その中で「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」ことを掲げており、今回のプログラムの開発もその一環だ。

要支援・要介護認定者のデータも活用

 ASICS HEALTH CARE CHECKでは、「歩行」能力を中心に「体組成(BMI、基礎代謝、体脂肪など)」「ストレス(加速度脈波測定)」「脳(認知機能=記憶力、計算力など)」など8項目を計測し、各項目を10段階で評価する。測定には1人当たり30~40分程度がかかる。

ASICS HEALTH CARE CHECKの測定項目。測定には1人当たり30~40分程度がかかる
(図:アシックス)
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 例えば、歩行能力には「歩く速さ」「左右のバランス」「姿勢」など6つの要素があり、アシックスは集計できる年代別・性別のデータを2000人分持っているという。さらに、同社が運営する機能訓練特化型のデイサービス「Tryus(トライアス)」で取得したデータも活用する。Tryusは要支援・要介護認定者を主な利用者とし、測定・運動プログラムの構築・進捗管理と、利用者管理を一貫して行う、独自の運動サービスプログラムを提供している。

 次に、各項目の測定結果から「歩行年齢」「体力年齢」「脳活年齢」、そしてこれらを統合して健康度が何歳に相当するかを示す「健全年齢」を算出する。こうした評価項目の計算には、特許を出願済みの独自のアルゴリズムを使っている。

アシックス本社での歩行能力テストの様子
(写真:アシックス)
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 例えば歩行年齢は、年齢に関係性の高い項目の数値と、自社で保有している年齢・性別ごとの歩行データを用いて独自アルゴリズムで算出する。脳活年齢や体力年齢も同様である。下図にある男性の測定結果では、実年齢の35歳に対し、歩行年齢は28歳、体力年齢は32歳、脳活年齢は20歳で、健全年齢は26歳となっている。

評価結果シートの表面。「健全年齢」「健康寿命平均まであと何年」などが示される
(図:アシックス)
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