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スポーツとイノベーション

1試合で2万人のファンの声収集、“49ers流”体験価値向上策

Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(4)

2019/04/03 05:00

久我智也=ライター

「HappyOrNot」でかゆいところに手が届く対策

 従来49ersでは、試合中の飲食物やグッズの売上、スタジアム内で起こった事象についてのデータは、試合後数日掛けて集計し、各ステークホルダーに共有をしていたという。だがあるとき、オーナー側から「リアルタイムにファンの反応を確認したい」というオーダーが下されたという。

「もちろんはじめは“そんなことは絶対に無理だ”と思いました(笑)。しかし、とある空港で、“HappyOrNot(ハッピーオアノット)”というデバイスを見つけ、これは使えるのではないかと考えました」

 HappyOrNotとは、フィンランドのHappyOrNot社が開発したデバイスで、その場で顧客満足度を計測し、その情報をリアルタイムに管理者に送ることができるというものだ。アンケート調査などのように細かな設問作成は不要で、モニターに簡単な質問を表示し、利用者は「非常に幸せ」「幸せ」「不満」「非常に不満」という4つのボタンのいずれかを押すだけ。非常に簡単に顧客満足度を測ることができる。その手軽さが受け、現在は世界中の多くの企業が活用し、日本でもメルカリやゴールドジムといった企業が導入をしている。

HappyOrNotは、シンプルな質問に対して4つのボタンで回答する。49ersではスタジアム内の100箇所に設置しているという
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 「我々はHappyOrNotの存在を知った翌週には導入し、スタジアム内の100箇所にこのデバイスを設置しました。例えば“売店の利用体験はいかがでしたか?”、“駐車場で不便はありませんでしたか?”といった、非常にシンプルな質問を投げ掛けていきました。そうしたところ、1試合で2万以上もの回答を得ることもできました」

 ファンからのフィードバックは、スタジアム内にあるエグゼクティブルームに即座に送られ、ジャバイド氏ら管理者が即座にデータを確認できる仕組みだ。もちろんデータとして集めるだけではなく、即座に改善にもつなげていったという。

ファンのフィードバックはスタジアム内にあるエグゼクティブルームに即座に送られ、問題が発生していないかリアルタイムで確認しているという
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