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理念の中枢は「日本サッカーの欧州拠点化」、ベルギーのシント=トロイデンVV

STVV CEOの立石敬之氏インタビュー

2019/03/15 05:00

久我智也=ライター

目指すはアジアで最も人気のあるクラブ

クラブの経営状況についてはいかがでしょうか。

立石 STVV は元々赤字体質のクラブでしたから、先ずは毎年の収支を整えることを目標に取り組んでいます。日本人選手が多いことや、スカパー!で全試合生放送をしていただいているので、日本企業からのスポンサードを受けることができ、最初のフェーズは順調に来ていると思っています。

 ただ、現状は選手が移籍した際の移籍金による利益の割合が大きいので、選手が移籍しなくても経営的にイーブンにできるクラブにしていきたいですし、その考えはスタッフにも共有しています。そうして利益を上げることができれば、投資に回していきたいと考えています。

投資対象はどのようなものを考えているのでしょうか。

立石 まず目指しているのは、日本代表やなでしこジャパン、Jリーグクラブにも提供できるような宿泊施設付きのトレーニングセンターを造ることです。そこで欧州の国やクラブとトレーニングマッチをやってもらえれば、人や情報が集まるラボのような場所になると思っています。これはあと3年ほどで実現していきたいと思っています。

現在、STVVには日本代表選手を含む6名の日本人選手が在籍しています。これはどのような狙いからなのでしょうか。

立石 我々のプロジェクトの理念の中枢には「日本サッカーの欧州拠点化(ブランチ)」というコンセプトがあります。実際、自ずと欧州へのチャレンジを目指す日本人選手の獲得が増えていますし、その結果としてこのプロジェクトに協賛して頂ける日本企業の方々の数も増えてきています。

 ただ、いずれは日本にとどまらず、他のアジア諸国からも選手を獲得し、アジア中からスポンサーを獲得していきたいと思っています。そして将来的には、アジアで最も人気のあるクラブになっていきたいんです。それは「強いクラブ」というより「親近感のあるクラブ」として、アジアの人々が身近に感じられるという意味でです。