19シーズンはJ2最低レベルの予算規模での挑戦

J2昇格によってスポンサー数やスポンサーフィーが増加しているとのことですが、2019年シーズンのビジネス的な目標を教えてください。

倉林 まず観客動員数で言うと、ホームゲームの1試合平均入場者数は2017年が約2508人、2018年が約3146人でした。2019年にはこの数字を5000人近くにまで伸ばし、年間で10万人にすることを目標にしています。同時に有料観客数の比率と客単価も増やしていかなくてはなりません。

 2017年の数字ですが、FC琉球の入場料収入は約500万円でJ3平均の6分の1以下だったので、この数字を伸ばしていくことが急務になっています。そのためには席種ごとに付加価値をつけたり、前売りチケットを買いたくなるような仕掛けをしていくことが重要で、実際に検討しています。

 売上については、2018年は3.2億〜3.3億円だったのですが、2019年は5.2億〜5.3億円ほどを目指しています。過去の数字から考えると大きな成長に思えますが、この数字でJ2を戦うのは大きなチャレンジングです。2017年のJ2の平均売上高は14.1億円ほどで、最も規模が小さい水戸ホーリーホックでも5億8000万ほどの売上がありました。やはり売上が少ないと十分に強化費に回すことができませんし、フロントの人数も増やせません。今年はJ2の中でも最低レベルの予算で戦っていきますが、確実に売上を増やしていき、将来的にJ1昇格ラインと言える15億円を目指していきたいと考えています。

FC琉球代表取締役社長の倉林啓士郎氏。1981年東京都生まれ。東京大学在学中に起業し、パキスタンからフェアトレードでサッカーボールを製造・販売する事業に取り組み、現在はsfidaブランドを展開するイミオの代表取締役社長としてスポーツブランド事業・スポーツ施設事業に取り組むとともに、FC琉球の代表取締役社長も務めている
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2019シーズンは、昨年からメインスポンサーとなっているセノンに加えて、仮想通貨ビジネスなどを手がけるGMOコインがチームのオフィシャルトップパートナーになります。その経緯や狙いを教えてください。

倉林 GMOコインには2018年からチームをスポンサードしてもらっていて、J2昇格ボーナスとして1000万円相当のビットコインを贈呈するなどの取り組みをしていただきました。今シーズンはさらに一歩取り組みを強化するとのことで、ユニフォームの鎖骨部分にロゴを掲出し、スポンサーフィーも増額していただきました。

 こうした資金的なサポートだけではなく、GMOコインの本業である仮想通貨やブロックチェーン技術とも連携して新しい資金調達の方法も模索していき、できることならJクラブとしては初めて仮想通貨を用いた資金調達を実現したいと考えています。我々は地方クラブですし、親会社を持っているわけではありませんから、資金調達の手法を多様化させることが重要です。そうしないと大きな親会社を持つクラブと渡り合っていくのは難しいです。