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スポーツとイノベーション

他競技団体との連携が改革のカギ、元貴乃花親方

日本相撲界のイノベーション(下)

2019/02/26 05:00

上野直彦=スポーツジャーナリスト

他団体との連携強化が相撲界を強くする

ただし、「国技」というだけでは2021年以降や次の世代に向けた発展は正直厳しい印象もあります。“進化”とは時代で最強の者が生き残るのではなく、時代の変化に合わせて変わっていった者のみが生き残るのが本質です。

花田 おっしゃる通りで、相撲は「国技」としての長い歴史があります。私は相撲道を信じています。裸足で鍛える文化や裸足の心で鍛える足腰、人を傷つけない心構え、それこそ相撲道が目指す文武両道を実現していきたいです。

 私が以前在籍しておりました日本相撲協会で思ったことですが、例えば力士を引退して親方になれる資格を持てば日本サッカー協会に2年、3年と修行に出る。逆にサッカー協会の方に相撲協会で働いていただく。このような交流や研修が出来たら、セカンドキャリアの構築、ガバナンスの改善、あるいは相撲をやっていたけどサッカーがやりたい、サッカーをやっていたけど相撲をやりたい――。そういう展開が生まれていくでしょう。

 JリーグやBリーグを含む外部の方々と連携を進めることは、海外に弱い大相撲の海外戦略を強化することにつながります。これは、広く日本の文化を伝える有効な手段になると思いますし、相撲協会の収益増加につながっていきます。

 現状では元力士が親方になり、親方が協会の理事、または運営や経営を行なっています。しかし、ここには外部の専門家が入るべきだと思います。今後、公益財団法人として公益をしっかり見つめていく上で、この体制ではやがて限界に陥るような気がします。まず大事なのは、財源の確保だと思っています。

 私は相撲界が率先して中央競技団体である組織を確立し、他競技団体との連携を図って様々な改革を実現し、世界への普及を進めて、力士のセカンドキャリアの確立につなげていく――。これが不可欠だと考えています。他の団体とできた新しいつながりを大切にしながら、私は相撲界をさらに発展させていきたいと願っている所存です。

相撲界の将来に向けた花田氏の提言
(出典:花田光司氏)
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