記事一覧

スポーツとイノベーション

中国は競技人口3.5億人へ、日本の先行く世界のeスポーツ

Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(3)

2019/02/04 05:00

浅野 智恵美=ライター

競技人口は19年に3億5000万人へ

 ビリビリ・ゲーミングのチェン氏は、中国のeスポーツ産業の発展をデータで示した。eスポーツの市場規模は2019年には993億円に達するとみられ、2015年から2019年までの5年間で224%の成長が見込めるという。

中国eスポーツの市場規模は右肩上がり。グラフはPC・モバイル・その他関連売り上げを示している。特にモバイルの伸びが著しい
(図:ビリビリ・ゲーミング)
[画像のクリックで拡大表示]
中国におけるeスポーツの競技人口は増加している。2019年には3億5000万人に達すると見られ、5年間で254%の伸び率
(図:ビリビリ・ゲーミング)
[画像のクリックで拡大表示]

 チェン「中国のeスポーツ産業は基本的にはピラミッド構造になっています。ピラミッドの1番上にいるのがゲームのパブリッシャー、ゲームを作っているメーカーです。2番目の段にいるのが、ライブのストリーミングをするプラットフォームやeスポーツのクラブ、コンテンツを作る人たち。ゲーム会社に対して投資するとなると慎重になる人も多いのですが、2段目の部分は投資としての注目度も非常に高いです。ビリビリはもともとライブのプラットフォーム、eスポーツクラブ、コンテンツを作るチームも有しています。ピラミッドの1番下の段は、全体のエコシステムです。例えば、ブランドの活動、ホームアリーナ、関連製品、トレーニングなどがあります。こういったものがあって初めて、全体の産業が成り立つのです。このようなピラミッドの中で健全な運営がなされています」

中国eスポーツ産業の構造
(図:ビリビリ・ゲーミング)
[画像のクリックで拡大表示]

 保有する主要クラブで、世界トップクラスのリーグであるオーバーウォッチリーグ(OWL)に参入するSPARKと、League of Legend Pro League(LPL)のBLGについて、チェン氏は次のように話す。

 チェン「LPLは中国最高レベルのリーグです。現在、中国においてはLPLに加盟するにはリーグ加盟費として、ひとつのクラブで1億5000万元(1元=約16円)の初期投資が必要となります。これはひとつのハードルであって、誰でも参入できるわけではありません。OWLはロサンゼルスやニューヨーク、ロンドン、ソウルなどのクラブが加盟しています。私たちのチームの本拠地は杭州にありますが、クラブを作ることで、地域に根ざしていきたいと思っています」

ビリビリ・ゲーミングのチェン氏

 チェン氏はイベントの開催にも力を入れている。2017年には、中国で初めてLANパーティーが開催された。さまざまなプレーヤーが会場に集まり、一緒にゲームを楽しんだ。夜7時以降は音楽フェスティバルが開かれ、このイベントには3日間で約12万人が来場したという。

 チェン「私たちは年間MVPといった選抜イベントも行っています。eスポーツにまつわる30以上のさまざまなアワードがあり、eスポーツの運営や試合で最高のパフォーマンスを見せた方々が受賞しました。eスポーツに、より伝統的なスポーツに近づく要素を取り入れたいと考えています。中国ではたくさんの取り組みが進められ、eスポーツ市場に大きな資本が参入してきています。eスポーツは中国の若者の主要な文化スタイルになっていくでしょう」