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スポーツとイノベーション

湘南を元気に RIZAP、ベルマーレ起点の「健康街づくり」

2019/01/31 05:00

内田 泰=日経 xTECH

選手ごとに個別のプログラム

――湘南ベルマーレを買収し、実際に運営する中で感じている既存事業とのシナジーや今後のポテンシャルをお聞かせください。

RIZAPグループのマーケティング戦略ユニット ユニット長で、湘南ベルマーレ取締役の松岡洋平氏。前職はスマートニュース
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松岡 RIZAPが湘南ベルマーレに提供できる価値は2つあると考えています。1つはチーム面、もう1つはクラブの経営面です。チーム面では2018年6月から、RIZAPのトレーナーである管野翔太が、湘南ベルマーレのパフォーマンスアップチーフトレーナーに就任してチームに帯同しています。彼は柏レイソルのユースでプレーしていた元サッカー選手で、筋肉に関する知識も豊富です。

 日本では、サッカー選手はあまり筋トレをしません。しかし、湘南ベルマーレではどうすればサッカーで良いパフォーマンスを発揮できるのか、体作りに取り組んでいます。そこでは、RIZAPのパーソナルトレーニングと同様、最初に選手全員に面談してカウンセリングをしました。選手が「どうなりたいのか」「なぜそうなりたいのか」をトレーナーと徹底的に話し合い、そのためには「何をやればいいか」を納得できる形で合意してプログラムを提供しました。

 例えば、足の可動域を広げるためにはこういうトレーニングをしましょうとか、試合の後半まで走り続けられるように食事のメニューをこうしましょうとか、管野が個々の選手ごとにカスタマイズしています。もともとRIZAPが一般の方に提供しているトレーニング、食事、コーチングに関わる指導メソッドを活用しているのです。

 あと我々は“寄り添い”と言っていますが、一緒に目標を達成するという目線が大事です。選手もよく言っていますが、RIZAPはCMのイメージが強いので最初はめちゃくちゃ筋トレをさせられると思っていたそうですが、管野がやったのは個々の選手ごとに課題を特定してプログラムを提供することです。

 

 こうした取り組みの結果、選手は以前より走り続けられるようになったり、例年に比べて大きなケガも減っています。その成果の一つが、2018年のJリーグYBCルヴァンカップの優勝です。国内主要タイトルの獲得は、1994年以来、23年ぶりのことでした。

 一方、経営面ではRIZAPが参画することで、スポンサーを紹介したり、新しいサービスを導入したりしています。私の前職はスマートニュースですが、Jリーグで「SmartNews」に最初にチャンネルを登録したのはベルマーレですし、投げ銭コミュニティーのエンゲートとJ1で最初に契約したのもベルマーレです。「LINE Pay」も日本のプロスポーツチームで初めて取り入れました。こうした企業はRIZAPから紹介したものがほとんどです。

湘南ベルマーレの試合の様子(写真:湘南ベルマーレ)
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