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「行動経済学」はヘルスケアの突破口になるか(page 5)

人の“性”へ訴える手法を活用した事例に見る

2018/10/10 10:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

関心があるうちにすぐにフィードバック

 ケアプロが手掛ける、駅ナカやショッピングセンター、パチンコ店などで受けられる健康チェックサービスにも行動経済学の手法が活用されている。具体的には、血糖値や肺年齢、骨密度などの測定結果を即時にフィードバックする仕組みがそれだ。一項目当たり5~15分で結果をフィードバックするようにしている。

ケアプロの健康チェックサービス(提供:ケアプロ)
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東京大学大学院 医学系研究科 准教授の近藤尚己氏
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 健康診断をはじめとした各種検査は、結果を返却するまでに時間がかかることが多かった。こうしたタイムラグが「健康チェックサービスを受けるハードルになっていた」と東京大学大学院 医学系研究科 准教授の近藤尚己氏は話す。結果を返却する頃には、健康診断への関心が薄れてしまうのだ。ケアプロでは、検査後すぐに結果を通知することで、最後まで利用者にアプローチできるようにした。

ケアプロ 代表取締役社長の川添高志氏
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 実は、同サービスは、主婦や自営業、退職後の人など健康診断を1年以内に受診していない人をメインターゲットと位置付けている。看護師である同社 代表取締役社長の川添高志氏の「健康診断を受診していない人に対して、健康への気付きを提供したい」という思いを反映した。実際、約10万人の年間受診者のうち半数が1年以内に健康診断を受診していない人たちだという。

帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 研究科長で教授の福田吉治氏
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 このように、ヘルスケア領域に行動経済学を応用する事例は相次いでいる。ただし、そのメリットは「未知数なところもあるため、今後明らかにしていきたい」と行動経済学について研究している帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 研究科長で教授の福田吉治氏は話している。

■変更履歴
記事初出時、ケアプロが手掛ける健康チェックサービスの記述で「肌年齢」とあったのは「肺年齢」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。

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